言葉と教え

シュリーマド・バーガヴァタム 第163話

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アダルマ(不正義、不正)の道を歩む人は、全てを失った人のように最後には惨めに悲しみます。至高の主は、罪深い方法で家族を養ってきた人は、罪深い行為のために地獄で厳しい罰の形で苦しむことを保証します。

罪深い行いや違法な行為で家族を養う人はアンダ・ターミシュラとして知られる地獄の最悪の場所に到着します。罪人はそこで可能な限り最悪の罰を経験します。
地獄での苦しみを終えると、動物や低俗な生き物として生まれ変わり、それから徐々に浄化されていき、人間での生まれ変わりへと進化します」とカピラ・ハマルシは言いました。

第三巻、第三十章はこれで終わりです。

第三巻、第三十一章。
この章では人間で生まれ変わることが、徳と罪の組み合わせの結果であることが説明されます。

カピラ・マハルシは続けました。「おお母よ!主の意志とその人の過去の果報にともなって、人間の生を取るように命令されます。特定の男性の精液の細胞に宿り、それを通して女性の子宮に入ります。
母の子宮に入ったものは、最初の夜に二つの細胞が合わさった一つの形態になります。五日目の夜には泡に変形します。十日目には固まって、梅の大きさになります。その後小さい肉の球に変わります。

最初の月の終わりには、頭が作られます。二ヶ月目の終わりには、手、足、ほかの肢が形になり始めます。三ヶ月の終わりまでには爪、指、つま先、髪の毛、骨、肌、感覚器官が現れます。

四ヶ月内には骨髄、ほかの六つの主要な肉体構成要素(ダートゥ)ができてきます。胎児が五ヶ月になるまでに空腹や喉が渇くのを経験し始めます。六ヶ月には皮膚と、羊膜として知られる最も内側の膜が作られます。子宮の中で胎児は左向きに曲がります。母親が摂取する食べ物と水によって肉体構成要素は養われます。

子宮の中で胎児は便と尿の中で生きています。この場所は虫がはびこっています。そのような汚いところで生き、胎児はひどく苦しみます。
虫は毎秒、胎児の繊細な肌を何度もかみます。この痛みに耐えられず、胎児は毎秒気絶します。母親がとった酸っぱく、塩辛い、辛い食べ物は胎児に届いて、このために全ての臓器は苦痛を経験して、ひどく苦しみます。

子宮の中で胎児は羊膜と呼ばれる膜で覆われ、外側は腸で覆われています。胎児は空間が無くて苦しみます。子宮の中に頭をかがめ首と背中を曲げます。かごの中の鳥のように胎児は動けず、手足をうまく動かせません。自由がありません。

そのような時に、主の意志によって、胎児は全ての過去生の記憶を取り戻します。多くの過去生にわたり様々な行為を思い出して、長い時間胎児は衝撃を受けて嘆きます。そのような状況で胎児はどんな幸せを得られるのでしょうか?教えてください。
七ヶ月から胎児には意識があります。しかし出産に先立つ風の圧力のためにあちこちに投げつけられます。胎児のそばにいる虫のように一つの場所に留まることはできません。

前世での知識によって、七つの構成物からなるこの肉体に縛られ、胎児は世俗の束縛を恐れ始めます。手のひらを合わせて、この子宮に置いた主に哀れに祈ります。

「庇護を求めてきたこの世界を守るために、主は自らの自由意志によって地上に無数の姿を取ります。地上の全ての生き物にとって主の御足は唯一の避難所です。そのような蓮華の御足に全託します

私が邪悪であるために主は子宮の中で生きるというこの罰を私に与えられました。根本原質が変容を遂げ、体、感覚、心として現れます。個人は自分が体や感覚だと誤って思ってしまいます。この誤解のために行為に巻き込まれます。徳と罪に従って体を得て、母親の子宮に閉じ込められます。束縛もなく、運ぶ者もない至高の主に恭順の意を捧げます。

その至高の主は生まれることも、変容することもなく、現在深刻な混乱を経験している私のハートの中でまばゆく輝いています。叡智(ジニャーナ)の化身である主にとっては、知る者、知られるものという違いは存在しません。

Yaḥ pañca-bhūta-racite rahitaḥ śarīre
cchanno ’yathendriya-guṇārtha-cid-ātmako ’ham
Tenāvikuṇṭha-mahimānam ṛṣiṁ tam enaṁ
vande paraṁ prakṛti-pūruṣayoḥ pumāṁsam

根本原質の活動とその特質(トリグナ)は五大元素として顕現します。実際は、私は根本原質で作られたこの体とは関係がありません。感覚や音、知覚、心の中に反映されるアハンカーラ(私という感覚)とも関係はありません。しかし、それらと関係しているという誤った信念のために、実際には縛られています。疑う余地のない名声の高い主に恭順の意を捧げます。主は根本原質(プラクリティ)を超えています」

パドマナーバーヤ・ナマハ

続く

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