言葉と教え

シュリーマド・バーガヴァタム 第233話

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プリトゥ王は、ブリハスパティの如く、至高のブラフマンを想いました。感覚の制御においては、まさにシュリハリのようでした。献身、自制心、謙遜、また、牛、グル、ヴェーダ学者、主シュリハリの信奉者への善行に関しては、プリトゥ王に匹敵する人は誰もいませんでした。その他の生命体の支援においても、彼に匹敵するのは、彼一人しかいませんでした。

プリトゥ王の名声は、三界全域に行き渡っていました。シュリラーマが高潔な聖者のハートの中に入っていくように、三界のあらゆる住人が声高らかに称えるプリトゥ王の栄光は、家事に勤しむ婦人方のハートの中へ入ってきました。

第四巻、第二十二章はこれで終わりです。

第四巻、第二十三章です。

この章では、プリトゥ王の昇天が描かれています。

ヴェーナの息子プリトゥは、この上なく勇敢な王でした。プリトゥ王は、正義感をもって賢明に国を統治しました。王は村と呼ばれる集落を作って、そこに繁栄をもたらしました。そして、動不動のあらゆる生命体に生活の糧を提供し、高潔な存在のダルマを守護しました。プリトゥ王が地上に化身した目的は、十分に果たされました。

プリトゥ王にとって、大地は娘でした。王は、地上における自身の時間が終焉に近づいていることに気づきました。そして、大地が、彼との別れが迫っているために涙を流しているように感じました。プリトゥ王は王国を息子たちに託すと、苦行を行うため、妻と一緒に森の中に入っていきました。王座にあった時代には、彼には従者がいました。プリトゥ王が従者を残して、森へ出立する準備を整えると、人々は大変に悲しみました。

森の中では、プリトゥ王は、自制心が揺らぐことがないよう、注意深くありました。そして、ヴァーナプラスタ(林住期の人)が好むような厳しい苦行を行いました。集中的な苦行に対するプリトゥ王の決意は、かつて地上全域を征服して統治していた時の決意と同じでした。

プリトゥ王とアルチの夫婦は、根と果物を食べて命をつなぎました。食するのは、乾燥した葉っぱのみという時もありました。何カ月の間、水のみで生きました。その後、しばらくの間、空気のみで生きました。プリトゥ王は、誠実に苦行を続けました。

プリトゥ王は、ヴァーナプラスタのダルマを完璧に実行しました。夏になると、猛烈な暑さに耐えて、苦行を続けました。雨季には、猛烈な降雨に耐えて、ひるむことなく苦行を続けました。

冬の間は、首まで水の中に浸って、苦行を行いました。そして、むき出しの床の上で寝ました。

プリトゥ王は、完全に感覚を制御していたため、暑さと寒さの二元性に耐えることができました。言葉も制御しました。そして、禁欲主義の規則に従って、プラーナーヤーマを修練しました。主シュリクリシュナの崇拝を求めて、至高の苦行を行いました。苦行は、次第に実を結んでいきました。意識の中の過去の微細な痕跡は全て浄化されて、プリトゥ王の心は完全に純粋になりました。

プリトゥ王は、プラーナーヤーマを行うことによって、感覚と心を完全に制御しました。そして、世俗の束縛から完全に解放されました。かつて、尊敬すべきサナトクマーラ・マハルシは、あらゆる知識の中でも最高の教えである、究極の至高の叡智をプリトゥ王に伝えました。霊的求道者は、この叡智を学んで、自らの内面と向かいあい、真我という形をして己の中に存在する神を見るのです。

プリトゥ王は、こうしたヨーガを行って、全人類の頂点に立ち、至高の神に奉仕しました。王は高潔な人であったため、どんな時でも神を崇拝することだけを求めました。このような献身的な姿勢で、苦行を続けました。

プリトゥ王は、この世とも世俗の束縛とも無縁のシュリハリに対して献身的に奉仕して、自己を確立しました。その結果、プリトゥの心は完全に純粋になりました。そして、絶えず神を思っていたため、プリトゥ王の献身奉仕は、とてつもなく大きくなっていきました。その結果として、王は無執着を完全なものとし、真我の叡智を獲得しました。

真我の叡智を獲得した結果、プリトゥ王は、肉体、心、生命、知性、自我意識(私という感覚)という幻想を乗り越えることができました。そして、この世の束縛という結び目を断ち切りました。自身の中にある疑念という疑念が、消えて行きました。とどのつまり、疑念というのは、「私は、一個の存在である」という幻惑の感情からのみ、生じてくるのです。

真我の叡智が生じるとその瞬間、二元性の感情が完全になくなりました。欲望も完全になくなりました。その時、プリトゥ王は、自身の中の「私という感覚」を消滅させた、霊的な知識さえも捨て去りました。

霊的求道者は、神聖な栄光を傾聴することに心が完全に確立するまでは、また、そうでなければ、神秘力(シッディ)に対する気持ちを手放すことができません。プリトゥ王は、神聖な話を聞くことを全身全霊で求めていたため、ヨーガの神通力には気持ちが向きませんでした。

このようにして、勇敢な人の中でも最高の勇者であるプリトゥ王は、自らのブッディを完全に真我に確立して、解放されたのでした(ブラフミ・ブータ)。

地上を離れる時、プリトゥ王は、その強健な体を残していきました。プリトゥは、ムーラダーラ・チャクラのそばにある肛門を足のかかとで押して、生命力を少しずつ上向きに上げていきました。そして、腸のそばにあるスワーディスターナ・チャクラ、臍のそばにあるマニプーラ・チャクラ、胸のそばにあるアナーハタ・チャクラ、首の下の方にあるヴィシュッダー・チャクラ、眉間にあるアージュニャー・チャクラを通過させて、生命力へ上昇させていきました。それから、生命力を頭頂にあるブラフマランドラへ持っていきました。

プリトゥ王には、もはや欲望は何もありませんでした。そして、自らの体内にある土、風、火を、それぞれ、宇宙的な土、風、火と統合しました。これは、彼が自らの存在の個別性を放棄したという意味です。

プリトゥ王は、感覚を空(マハーカーシャ)に統合しました。そして、体内の様々な液体を宇宙的な水に統合しました。それから、体内の土を宇宙的な土へ、体内の水を宇宙的な水へ、体内の火を宇宙的な火へ、体内の風を宇宙的な風へ、体内の虚空を宇宙的な虚空へ統合しました。このように、プリトゥ王は五つの身体的要素をそれぞれの原理に統合しましたが、この統合のプロセスは、誕生の時とは正反対の方向性にありました。

クリシュナ―ヤ・ナマハ

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