ラリタ・サハスラナーマの名の意味351~360
更新日 : 2024.8.15
カテゴリー : ラリタ・サハスラナーマ
351. Vāmakeśī ヴァーマケーシー
意味)
1) 彼女は長く美しい髪 (ケーシャ) を持っています。
髪と爪は幻想 (マーヤー) の象徴です。どちらも幻想 (マーヤー) に似ていて、切ってもまた必ず生えてきます。
2) 彼女はヴァーマデーヴァを支配しています。 (ヴァーマはシヴァの別の側面)。
352. Vahni-maṇḍala-vāsinī ヴァフニ・マンダラ・ヴァーシニー
意味)彼女は火 (ヴァフニ、アグニ) の銀河 (マンダラ) に住んでいます。
太陽、月、火は、目に見える3つの神 (プラティヤクシャ・ダイヴァ) です。これらを毎日礼拝することが不可欠です。太陽神にアルギャを、月の神にタルパナを捧げ、火の神に礼拝を捧げることは重要な儀式です。満月と新月の日には、月への特別な祈りが捧げられます。
火は、目に見えない形ではありますが、生物・無生物を問わず、本来あらゆる物の中に存在します。水の中にはバダバーグニとして、消化器系の中にはジャタラーグニとして存在します。女神は火の形で、あらゆる場所、あらゆるもの中に存在します。
ヴァフニはトレータグニ(3つの火、ガルハパティヤ、アハヴァニヤ、ダクシナグニ)とトリプティ(三位一体)を象徴しています。アグニ(火)の位置は、眉の中央にあるアージュナー・チャクラです。彼女は知恵の火(ジュニャーナーグニ)と意識の火(チダーグニ)です。彼女はそこから現れ、値する信奉者に知恵と叡智(ジュニャーナ)を授けます。
353. Bhaktimat-kalpa-latikā バクティマット・カルパ・ラティカー
意味)彼女は信奉者 (バクタ) のあらゆる願いを叶えます。
カルパラタは、望むものをすべて叶えるつる植物 (ラタ) です。熱心な信奉者にとって、彼女はあらゆる願いを叶えるつる植物です。
この名前は、バクティマットカルパ+ラティカと解釈できます。つまり、神への信愛のふりをする人々にとって、彼女は普通のつる植物 (ラティカ) のように見えるということです。彼女は、そのような人々にも恩恵を注ぎ、徐々に彼らを本当の信愛の道へと導きます。それが彼女の慈悲です。彼らにとって、彼女はカルパラティカではなく、普通のラティカ(つる植物)です。カルパラティカはあらゆる種類の願いを叶えることができますが、普通のラティカ (つる植物) は、1種類の果実しか与えません。この場合の果実は、値するものに基づいて比例的に与えられます。
至高の母に対する揺るぎない信仰と信愛を完全に育むには、数回の転生が必要です。しかし、至高の母はずっとつる植物(ラティカ)として私たちのそばにいて、私たちを祝福し、前進するよう励ましてくれます。私たちの中に揺るぎない信愛を育むことは、彼女が与えることができる最高の恩恵です。
354. Paśu-pāśa-vimocanī パシュ・パーシャ・ヴィモーチャニー
意味)彼女はすべての生き物を束縛から解放します。
パシュは一般的に牛を意味しますが、ここでは人間を含むすべての生き物を意味します。パーシャは私たち自身が自分を縛った束縛の縄です。彼女はこの輪をたち切って、私たちを解放します。
355. Saṃhṛtāśeṣa-pāṣaṇḍā サムフルターシェーシャ・パーシャンダー
意味)彼女は神を信じない人(パーシャンダ) を滅ぼします。彼らの悪い知性 (ブッディ) を自分自身に融合させて、誠実な信奉者のために道を切り開きます。
パーシャンダーは神の存在を信じない人々で、真の信奉者の心に精神的な分裂を生じさせ、彼らの信仰を破壊しようとします。彼らは無意味な議論で信奉者の霊的成長を低下させます。
356. Sadācāra-pravartikā サダーチャーラ・プラヴァルティカー
意味)彼女は善行(サダーチャーラ)を創造/促進します。
Āchārah prathamo dharmah;正しい行いをすること自体がダルマです。このダルマを生き方として実践することがサダーチャーラです。清潔、礼拝のための正しい服装規定の遵守、真実を語る、非暴力(アヒムサー)を実践すること、他者を粗末に扱わないことはすべてこのサダーチャーラの一部にすぎません。
正しい生き方を貫くことで、その人は健康、富、繁栄、長寿、名声、つまり ācharō bhavati、ācharo bhūti、ācharo keerthi vardhanaha に恵まれます。
357. Tāpatrayāgni-santapta-samāhlādana-candrikā ターパトラヤーグニ・サンタプタ・サマーフラーダナ・チャンドリカー
(この行全体が 1 つの名前です。朗唱中にサンタプタとサマーフラーダナの間に休止を入れないでください。休止すると意味が変わってしまいます。そうすると女神は煩悩に悩まされているということになります。)
意味)彼女は人々が燃えて苦しんでいる苦悩 (ターパトラヤー) の火を消すために、満月のように冷たい光線を発します。
ターパは熱を意味して、トラヤは3を意味します。苦悩 / 問題には アーディヤートミカādhyātmika、アーディボウティィカーādhibhoutikā、アーディ・ダイヴィカādhi daivika の3種類があります。苦悩の強烈さは多くの苦しみ (熱) を引き起こします。
アーディヤートミカ・ターパトラヤーは、いかなる霊的苦悩も意味しません。ここでは、熱、頭痛、病気など、肉体の苦しみを指します。
アーディボウティィカー・ターパトラヤー(Ādhibhoutika tāpatrayās) は、昆虫、動物、他の人によるトラブルなど、他の外部環境によって私たちの頭に降りかかる苦しみを指します。
アーディダイヴィカ(Ādhidaivika) は、洪水、干ばつ、極端または少雨など、行き過ぎた自然によって引き起こされる苦しみを指します。
月の光は心を落ち着かせ、清涼にしてくれます。同じように至高の母は、絶対的な苦悩にあり、これらの苦しみの重みに沈んでいる信奉者を癒して沈静化してくれます。
358. Taruṇī タルニー
意味)彼女は永遠に若いです。
聖なる母は9歳の小さな子ども、10代の少女、若い女性として礼拝されています。このすべては彼女が永遠に若いことを繰り返し示しています。永遠であるために、誕生、死、老化などの要素は彼女には当てはまりません。
359. Tāpasārādhyā ターパサーラーディヤー
意味)彼女はすべてのタパスヴィー(苦行を行う者)によって礼拝されています。
「タパス」(苦行)という言葉を聞くとすぐに、森の木の下に座って手に数珠を持ち、目を閉じて厳しい瞑想を行っている聖人の姿が思い浮かびます。ある時は森の中で片足で立って、深く瞑想している聖人の姿が思い浮かぶこともあります。苦行(タパス)には、これらとその他多くのものが含まれます。
苦行は、シャーリーリカ・タパス、ヴァーク・タパス、マーナシカ・タパスの3種類に大別されます。シャーリーリカ・タパス(シャーリーラは肉体を意味する)は、人が至高の境地に到達することを目指す肉体的な努力です。ヴァークは言葉です。言葉をコントロールし、必要なだけ話すことがヴァーク・タパス(言葉による苦行)です。
心をコントロールして、不必要な思考で心が迷わないようにすることが精神的な苦行(マナシカ・タパス)です。
360. Tanumadhyā タヌマディヤー
意味)彼女はとても細いウエストラインしています。
これは彼女には始まりも終わりもないことを示しています。彼女は永遠であり、したがって目に見える中間部分はあり得ません。これは「シャートーダリ」と意味が似ています。
●ラリタ・サハスラナーマの紹介
●アンガニャーサとカラニャーサ(身体への神の勧請)
●瞑想のための詩句
●パンチョ―パチャラ・プージャ(五つの捧げものの儀式)
●ムーラグランタ(基調詩節)1-111
●サハスラナーマ112-1000
※シュリ・スワミジによる『ラリタ・サハスラナーマ』の詠唱アプリはこちらです。
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