シュリーマド・バーガヴァタム 第277話
更新日 : 2025.5.9
カテゴリー : シュリーマド・バーガヴァタム
編集者注:まさに神聖なエピソードである。ジャダバラタの偉大さを説かれた時、シュリー・スワミジは惜しみなく涙を流し、私たちの心の奥底を揺さぶった。
ジャダバラタには、利己心の痕跡さえありませんでした。彼は明るい笑みを浮かべ、王に語りかけ、こう言いました。
“Tvayoditaṁ vyaktam avipralabdhaṁ bhartuḥ sa me syād yadi vīra bhāraḥ
Gantur yadi syād adhigamya madhvā pīveti rāśau na vidāṁ pravādaḥ
おお、勇敢なる人よ! あなたがこれまで語られたことはすべて絶対的な真実です。確かに、肉体はこの重荷を背負っています。私は背負ってはいません。目的地へと歩むのは肉体であり、私は背負っていません。ですから、私が重荷を背負っていないというあなたの皮肉な言葉は、まさに真実なのです!」
生涯誰にも説教したことのなかったジャダバラタは、今や王に説教していました。彼は兄弟にも、町の親族にも、盗賊たちにも、この助言を与えたことはありませんでした。
「あなたは私が強くて頑丈に見えるとおっしゃいました。強くて頑丈に見えるのは、五大元素から成るこの肉体です。真我と真我ではないものを識別する叡智を持つ賢明な人は、決してこのようには言いません。
頑丈であること、衰弱していること、飢え、渇き、心身の不調、恐怖、混乱、老い、眠り、愛、欲望、利己心、悲しみ、そして自尊心は、すべて肉体にのみ関係するものです。肉体に執着する者だけがそれらを経験します。私は肉体と同一視していないので、それらは私に当てはまりません。私は太っているわけでも痩せているわけでもないことを理解してください。
ここで理解すべきは、それらは永遠である真我には当てはまらないということです。 王よ、あなたは私が生ける屍に似ていると言いました。しかし、肉体は永遠に生死といった変化を受けるのではないですか?これらの変化は、肉体を得たすべての存在に当てはまります。この観点から見ると、すべての生き物は実際には死んでいるのです。なぜなら、生まれたものはすべて死ぬからです。
おお、親愛なる王よ、あなたが支配者であり、私はあなたの召使いであると考えておられます。そのような違いがあるところには、命令とそれに従うといった区別も存在します。主人と召使いの違いは、あくまでも現世的な取引におけるものであり、一時的なものです。しかし、この法則は、宇宙を至高の視点から見る私や他の人々には当てはまりません。至高の視点から見れば、誰が主人で、誰が召使いなのでしょう?しかし、あなたはご自身を王、私を召使いとお考えですから、私はあなたの命令に従います。どうど私に命令してください。
勇敢なる王よ、あなたは私が狂った酔っ払いのように振る舞っているとおっしゃいました。あなたの言葉は何も間違っていません。私が狂っているように見えるのは、私が真我に確立しているからであることをわかってください。私を罰することであなたが得るものは何もありません。狂った人間は罰によって狂気から癒されるでしょうか?あなたの努力は無駄になるでしょう。」
真我を悟った人々の中で最も高貴なジャダバラタは、穏やかな性質の持ち主でした。彼は肉体と一切同一視せず、言い換えれば、自分の肉体を真我とは考えていなかったのです。そのため、彼は適切な返答をするために必要なだけの言葉を発しました。プラーラブダ・カルマ(宿命)を果たさなければならないと信じ、彼は以前と同じように黙々と輿を担ぎ続けました。
シンドゥとサウヴィラの王ラフーガナは、かつて絶対的な真実について純粋に思索し、真我の知識を得る資格を得ていました。ジャダバラタは、王の心から無知の結び目を解くために、これらの言葉を発しました。彼が発した言葉の一つ一つは、ヨーガの経典と全く同じであり、同じ本質を説いていました。ラフーガナはこれに気づきました。熱心に耳を傾けたため、彼は偉大な王であるという傲慢さから解き放たれて、即座に輿から降りてジャダバラタの足元にひれ伏して、許しを請いました。 (この時、シュリー・スワミジの声は感極まり、涙を流されました。)
第278話へ続く