シュリーマド・バーガヴァタム 第368話
更新日 : 2025.7.9
カテゴリー : シュリーマド・バーガヴァタム
「神々を深く愛するシュリハリ神の栄光は無限です。劇質と無知(ラジャス、タマス)の特質が顕著になり、善の特質を抑制してしまう時、計り知れない働きをするシュリハリ神は、時と状況に応じて、劇質と無知に支配された悪魔たちを滅ぼします。」
スワミジの解説:DDTが細菌を殺すことは周知の事実です。しかし、私の家でDDTを使用したところ、細菌が繁殖し始めました。調べてみたところ、細菌がDDTに耐性を持つようになったことがわかりました。細菌を殺す際にも、一定の手順に従う必要があります。森に入って、道に現れるすべての昆虫や動物を殺すのは誤りです。細菌を殺すことが作物の生育に不可欠であるか、社会全体に利益をもたらす場合にのみ、その行為は許容されます。そうでなければ認められません。家の中の家具が細菌に蝕まれているなら、それを除去するのは許容されます。それ以外の場合は、アヒムサー(非暴力)を実践すべきです。
ここでは、主は時と状況と必要に応じて行動すると述べています。どの悪魔を駆除すべきかは主が決定します。すべての悪魔が邪悪だと決めつけてはいけません。細菌や病原菌の中にも、善玉菌と悪玉菌が存在します。中には無害なものもあります。ですから、主は計画を立てます。そして、その計画に従って、どの悪魔を駆除すべきかを決定します。したがって、悪魔の駆除は「衝動」的な行動ではなく、時と状況と場所の要件に基づいて行われます。
プラフラーダは悪魔の一族に生まれたため、彼自身も悪魔でした。主は、劇質(ラジャス)の特性から生じた悪魔的な特質に満ちた彼の父親を滅ぼす際に、彼を守りました。そのため、彼はその特質を殺しました。プラフラーダは純粋さと善良さ(サットヴァ)の特質に満ちていました。彼はバクティ(信愛)に満ちていました。そのため、主は彼を守ったのです。
マハルシ・シュカは続けました。
「王よ、実のところ、至高主はすべての人を平等に見ています。このことに関しては、プラーナ(文献)に非常に古い物語があります。以前、ラージャスーヤ・ヤーガが進行中だった頃、この世に敵のいなかったユディシュティラ皇帝が、マハルシ・ナーラダに問いかけました。」
スワミジの解説:ユディシュティラはアジャータシャトルと呼ばれています。これは、彼には絶対的に敵がいないという意味です。私たちは常に敵に囲まれています。繁栄している人に対して嫉妬の感情を持つのは間違っています。嫉妬の感情を持たないことは、清らかな状態を反映しています。繁栄している人に対して極度の嫉妬や怒りの感情に満たされている人は、自分が悪魔的な性質に満ちていることに気づくべきです。ユディシュティラは生まれた時から敵を見つけることがありませんでした。マハーバーラタを繰り返し読めば、盲目のドゥリタラーシュトラを除くカウラヴァ兄弟は、ユディシュティラに対して不満を抱いたことが一度もなかったことに気づくでしょう。彼らの怒りは常にアルジュナとビーマに向けられていました。彼らは主にアルジュナを真の英雄だと考え、彼を攻撃しました。カウラヴァ兄弟は、ユディシュティラこそが真の英雄であることに気づいていませんでした。彼は常にダルマ(法、正義)を遵守していたため、彼らはいかなる時も彼に欠点を見つけることができなかったのです。
一方、アルジュナは傲慢で、しばしばカウラヴァ兄弟を挑発し、脅迫しました。彼らは彼の脅迫に耐えきれず、しばしばアルジュナを攻撃しようとしました。同様に、ビーマに対しても彼らは悪意を抱いていました。
高潔で純粋な心を持つユディシュティラは、カウラヴァ兄弟を決して敵視しませんでした。だからこそ、弟たちは彼がサイコロ遊びですべてを失った時でさえ、彼の行動を決して疑問視しなかったのです。彼らは冗談を言いながらも、彼に文句を言ったり嘲笑したりすることを拒みました。ドラウパディーは叫びましたが、復讐のために彼を非難することは決してありませんでした。怒りのあまり『私が苦しんでいるのを、あなたは助けてくれないのですか』と叫んだことはありましたが、心の奥底では彼に対して怒りを抱いていませんでした。それは、彼が決して誰かを敵とみなさなかったからです。
さて、物語に戻りましょう。
「ラージャスーヤ・ヤグナの間、チェーディの王シシュパーラはヴァースデーヴァと一体化しました。この素晴らしい出来事を見て、ユディシュティラは驚嘆しました。その時、マハルシ・ナーラダもその集まりにいました。」
サンカルシャナーヤ・ナマハ
第369話へ続く