言葉と教え

ナーラーヤナーヤ・ナマハ

プラフラーダは続けました。「おお、主ナラシムハよ！生類が悲しみを消し去ろうとするあらゆる手段は、一時的な安らぎしか与えません。悲しみに永遠の出口はありません。」

スワミジの解説：悲しみが消えると、人々は喜びます。しかし、彼らは悲しみが一時的なものであったことを知りません。悲しみに押しつぶされそうになり、彼らはそれが永遠に続くものだと信じ、いつか終わることを拒みます。悲しみは一時のものである以上、治療法も永遠のものではありません。神の恩寵によって、あなたは自らの努力で、あらゆる悲しみに対する永遠の解決策を見つけなければなりません。あなたはこう疑問に思うかもしれません。「なぜ治療法を知っている人が、私のこの悲しみを永遠に癒すことができないのか？」と。答えはこうです。「この悲しみは経験しなければならない。そうして初めて、永遠に癒されるのだ。」しかし、一般的に人々は苦しみを味わうことさえできないか、あるいは味わいたくないのです。悲しみを乗り越えることを学びなさい。時に、悲しみは甘美なものとなるのです。

「例えば、親が必ず我が子を守ってくれるという絶対的な保証はありません。薬が必ず病人を治してくれるという保証もありません。海で溺れている人を船が救助してくれるという保証もありません。」

海で溺れている人は、船が救助に駆けつけるのに十分な功徳（プンニャ）を持っていなければなりません。薬が100%治癒するという保証は全くありません。時には一時的な回復しか与えないこともあります。

この世界の人間はそれぞれに異なる性質を持っています。現代的な視点を持ち、未来の時代に属するかのように振る舞う人もいれば、古代の習慣を守りたがり、過去の時代に属するかのように振る舞う人もいます。

裕福な人もいれば、中低所得層に属する人もいます。こうした違いはさておき、生類に影響を与え、特定の時代、特定の状況、特定の姿に生まれさせ、あるいは変化させる、あらゆる人、方法、状況、場所は、すべてあなたの姿にほかなりません。

この世界は様々な違いを抱え、複雑に見えますが、すべては純粋に神の力によって起こります。すべては同じ源から生まれています。すべては、それぞれの運命によってのみ動いています。例えば、今この瞬間、私たちは津波がどこかの地域で大混乱を引き起こしているのか、地震でどこかの場所が崩壊しているのか、世界のどこかで何らかの事故が命を奪っているのか、あるいは船が沈没しているのかを知りません。もちろん、現代の技術のおかげで、世界中の些細なニュースでさえも私たちに届けられます。南アフリカで起きた窃盗事件でさえ、ここで報道されます。数十年前、そのような情報が得られなかった頃、私たちは世界中のあらゆるもの、あらゆる人が平和で、何の災難も起こらないと信じていました。人々は、すべてが順調だと思い込んで、幸せに平和に暮らしていました。私たちは世界の幸福を祈っていますが、すべての人が幸せで穏やかでいられるという保証はどこにあるのでしょうか。

「主よ、すべてはあなたの姿です。あなたは与える者であり、受け取る者であり、また与えられる対象でもあります。あなただけが私たちの過去の住まい、現在の住まい、そして未来の住まいです！あなたは旅をする者であり、住む者です。あなたは過去、現在、そして未来の取引なのです。」

私たちが管理する通貨は、商人、庶民、官僚、聖人、泥棒、銀行など、数え切れないほどの人々の手を経てきましたが、それでもなおその神聖さを保っています。お金はあらゆる取引と交換の基盤です。通貨交換では、ある国の紙幣（お金）が別の国の紙幣と交換されます。それがあなたの手に届くまでに、どれだけの人の手に渡ったかわかりますか？昨日まで誰かのものだったものが、明日は別の人のものになる。小さな紙幣がすべてを支配しているというのは、神のもう一つの策略のようです。

「始まりのない霊的無知（アヴィディヤ）と呼ばれるベールは、サムサーラと呼ばれ車輪を創り出します。車輪は16のスポーク、すなわち五つの知覚器官、五つの行動器官、五つの生命エネルギー（プラーナ）、そして心で構成されています。これらが組み合わさって生命体となります。主に心から成るこの肉体は、精妙な存在です。

過去の行為の印象（カルマ・ヴァーサナ）の形をとるこの精妙体は、至高主の意志によって、幻想のエネルギーが時間によって揺さぶられたときに創造されます。根本原質の三つの特質における結果として生じた乱れによって、精妙体が出現するのです。

欲望に満ち、ヴェーダに記された果報的な行為を行うことでこれらの欲望を満たすことを信じるこの心を征服することは、ほとんど不可能です。」

私たちは心を征服すると口にしますが、心の奥底には欲望が宿っています。欲望がまだ残っている状態で、どのように征服できるでしょうか？純粋な心だけが征服できるのです。

ヴァーマデーヴァーヤ・ナマハ

第417話へ続く