言葉と教え

ラリタ・サハスラナーマの名の意味241~250

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241. Chāru-rūpā チャール・ルーパー

意味)彼女は極めて美しい(チャール:アティ・スンダラハ)です。

242. Chāru-hāsā チャール・ハーサー

意味)彼女はこの上ない究極の至福(アーナンダ)の姿をしています。
パラマートマの五つの側面があり、それはアスティ、バーティ、プリヤム、ルーパ、ナーマです。アスティ(永遠の存在)、バーティ(光、輝き)、プリヤム(永遠の至福)は、至高であるものの永続的側面であり、残りの二つナーマ(名前)とルーパ(形)は現れては消えていきます。そのため最初の三つのものが彼女にとってもっとも親しいものです。
チャンドラ・マンダラ・マディヤガーから始まる三つの名は、この至高の存在の永続する三つの側面を表しています。チャンドラ・マンダラ・マディヤガーは永遠の存在であることを表しています。チャール・ルーパーは聖なる輝きを表します。チャール・ハーサーは彼女が永遠の至福にいることを意味しています。

243. Chāru-candra-kalādharā チャール・チャンドラ・カラーダラー

意味)彼女は月の十六番目の位相を額に留めています。
聖なる母とのつながりによって、月の輝きは何倍にも増します。彼女は彼女のエネルギーを月に移し、それは地球と地上の生命に有益なものです。彼女の額にある十六番目の月の位相はちょうど必要な輝きで照らします。それは適切な加減であり、大きすぎ輝きすぎることもなく、小さく暗すぎるということもありません。

244. Charāchara-jagannāthā チャラーチャラ・ジャガンナーター

意味)彼女はこの宇宙全体(ジャガト)を支配する女王であり、生命(チャラー)と非生命(アチャラ)に満たされています。
非生命はジャダ(不活性)であり、生命を宿すものは意識(チャイタニヤ)に満ちています。

245. Cakra-rāja-niketanā チャクラ・ラージャ・ニケータナー

意味)彼女の住まいはシュリーチャクラであり、それは諸チャクラの王です。
それはシュリーチャクラが、高く掲げられている彼女の旗(ニケータ)であることも表しています。
かつて各家庭が旗を掲げる習慣がありました。旗が下がっていることはなんらかの不幸がその家族にあることを意味していました。高くはためく旗は家庭が正しい道(ダルマ)にあることを表していました。

246. Pārvatī パールヴァティー

意味)彼女はヒマラヤの娘(ヒマヴァト・プトリ)です。
山の娘として生まれたことは、非生命・不活物質との彼女のつながり、またその統治権を確立しています。この名は247番目の名であるチャラーチャラ・ジャガンナーターとつながっています。
「アチャラ」とは「動かないもの」であり、山は不動(アチャラ)であり、アチャラはシンハーチャラ、ドローナーチャラ、バドラーチャラなどしても知られています。知性(ブッディ)が絶対的に不動(アチャラ)の状態になるとき、至高の主はその中に入り住まいます。それらの山にある寺院と山は非常に重要なレッスンを伝えています。

247. Padma-nayanā パドマ・ナヤナー

意味)彼女は蓮のように長く美しい目をしています。彼女は蓮の目をしています。

248. Padmarāga-sama-prabhā パドマラーガ・サマ・プラバー

意味)彼女はルビー(パドマラーガ)と同じくらい輝いています。
246番から248番の三つの名は、至高の存在と動くことのないもの・非生命とのつながりを強調しています。彼女はこれらのものとして顕現し、それらを支配してもいます。

249. Pañca-pretāsanāsīnā パンチャ・プレーターサナーシーナー

意味)彼女はパンチャ(五つの)プレーターたちを彼女の座(アーサナ)としています。
五つのプレーターたちとは、ブラフマー、ヴィシュヌ、イーシュワラ、ルドラ、サダーシヴァです。プレータ―は「pura+itah」に分けることができ、それは逝去した人、主の住処に達した人を意味します。生命(チャイタニヤ)が体から去ると、それは亡骸(ジャダー、カレーバラ)になります。

232番目の名「マハー・タンダヴァ・サークシニー」で説明されたように創造の最後に至高のパラブラフマは三位一体を含んだ全てを彼と一つにします。そして彼は宇宙的な舞踊を舞います。チダンバラム寺院のチダンバラ・ラハスヤム(チダンバラの秘密)は、何も存在しなくなるときの完全な融合を示しています。神々も存在しなくなったがゆえに、彼らはプレーター(逐語的には生命のないものを表す)たちとして言及されています。聖なる母はこれらの神々を彼女の座としています。これは彼女がパラブラフマであることを明らかにしています。しばらくすると彼女は創造を再開し、それらは再び存在するようになります。
もう少しパンチャ・プレーターの詳細を理解していきましょう。パラブラフマは彼自身をさまざまな姿で現すというサンカルパ(意図)を持ちました。
彼から、ブラフマー、ヴィシュヌ、シヴァ、イーシュワラ、サダーシヴァが現れました。彼らは創造、維持、破壊、ティローダーナ(覆い)、アヌグラハ(恩寵、祝福、最終的融合)の仕事をする五柱の主たる神です。これらの五つの仕事はパンチャ・クルティヤとして知られています。
存在には三つの階層があり、そればパラブラフマの階層、デーヴァタの階層、マヌシャ(人間)の階層です。パラブラフマは究極の階層です。デーヴァタが次の階層です。デーヴァタたちはパラブラフマ/パラシャクティから出現するため、彼女の子どもたちです。神々は彼女の命令に従い、割り当てられた仕事を行ないます。三位一体を子どもとして持つ事実は、母なるアナスーヤが示しています。
私たち人間(マヌシャ)はデーヴァタたちを礼拝し、彼らの恩寵を得ます。あらゆる願いを叶えるためにも私たちはデーヴァタ―たちに近づく必要があります。私たちはパラブラフマにはただ彼と一つになることだけを求めて近づきます。それは全能者の命令です。サーダナは至高にして究極のパラブラフマと融合するための過程です。デーヴァタたちもまたパラブラフマと一つになるために熟考し瞑想しています。そのためにシヴァは深い瞑想状態で座っている姿で表されるのです。

250. Pañca-brahma-svarūpiṇī パンチャ・ブラフマ・スヴァルーピニー

意味)彼女は五柱のブラフマーたちの姿で現れます。
先の名前では、私たちは完全な融合の状態を話しました。それはデーヴァタもパラブラフマと一つになる融合です。その時点ではパラブラフマだけが存在します。しばらくするとパラブラフマは創造の再開を決意します。すぐに五柱のデーヴァタがチャイタニヤ(生命力・意識)を得て、彼らの仕事を始めます。彼らは生命力(チャイタニヤ)に満ち、もはやプレーター(非生命)とは呼ばれません。そして「ブラフマー」と呼ばれています。

Anapanna vikārassaṇ ayaskāntāva deva yaha
Budhyādheen chālayetastu tad brahmetya vadhāraya
アナパンナ ヴィカーラッサン アヤスカーンターヴァ デーヴァ ヤハ
ブッディヤーデーン チャーライェータストゥ タド ブラフメーティヤ ヴァダーラヤー

意味)大きな磁石があるとき、それ自体は何もしません。それは不動のままですが、磁力によって近くにある全ての小さな鉄片を引き寄せます。同様にブラフマーはいかなる動き(チャンチャラ、ヴィカーラ)もしませんが、それぞれの存在内の知性(ブッディ)に光をもたらし(プラチョーダナ)、それによって私たちに動きをもたらします。

Yasya sannidhi mātrena dehendriya manodhiyaha
Viśayeśu pravartante tad brahmet yavadhāraya
ヤスヤ サンニディ マートレーナ デーヘーンドリヤ マノーディヤハ
ヴィシャイェーシュ プラヴァルタンテー タド ブラフメート ヤヴァダーラヤ

意味)ただその存在だけで私たちの体、心、知性、アンタハカラナ(内なる心)、感覚(インドリヤ)に動きをもたす彼はブラフマーです。彼は私たちの存在、動き、行為、思い、知性の根源です。
これがパンチャ・プレーターであるブラフマーたちに託された大きな任務です。創造の根源であるこれらのブラフマーたちは全ての時間を至高の母への瞑想に費やし、実際のところ、彼らは聖なる母の顕現です。

続く

ラリタ・サハスラナーマの紹介
アンガニャーサとカラニャーサ(身体への神の勧請)
瞑想のための詩句
パンチョ―パチャラ・プージャ(五つの捧げものの儀式)
ムーラグランタ(基調詩節)1-111
サハスラナーマ112-1000

※シュリ・スワミジによる『ラリタ・サハスラナーマ』の詠唱アプリはこちらです。
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