シュリーマド・バーガヴァタム 第215話
更新日 : 2023.11.18
カテゴリー : シュリーマド・バーガヴァタム
ヴェーダの学者たちは皆、プリトゥを賞揚しました。トゥンブラ等のガンダルヴァは、彼を称えて歌いました。シッダたちは、花の雨を降らせました。アプサラーたちは踊りました。天国では、天上界のドラム、トランペット、ケトルドラムが鳴り響きました。巻貝を吹く音がしました。神々、祖先、マハルシたちが大勢、街にやってきました。
神々やこの世界の守護神たちと共に、創造神ブラフマーが到着しました。ブラフマー神はプリトゥの手に円盤の痕跡を、足には蓮の痕跡を見ました。手に円盤のシンボルやそれに関連するシンボルのある人は、至高の主の部分的顕現です。
ヴェーダの学者たちは、シュリハリが女神ラクシュミーと共に顕現したことを知るとすぐに、プリトゥを国王にするために一生懸命に準備に取り掛かりました。国民は至る処からやってきて、戴冠式のために吉祥な品々を運んできました。川、海、山、蛇、野生動物、鳥、天上界の住人、地球やそれ以外の全生命体が、この吉祥な儀式に参加するために贈り物を持ってやってきました。
プリトゥは清潔で純潔な衣類や美しい装飾品を身につけて、光り輝いていました。彼は王位につきました。彼の妻アルーチもまた、美しい装飾品や衣類を身につけていました。プリトゥは妻をそばに伴って、大きな火のように輝いていました。
クベーラは、皇帝プリトゥに見事な金の王座を贈りました。水神ヴァルナは、満月のように輝いて水滴をはじいてくれる白い傘を贈りました。風神ヴァーユは高貴なヴィンジャーマラの扇子を、ダルマは彼の名声を高める花輪を、インドラは高価な王冠を、ヤマは敵を統制するための杖を贈りました。
ブラフマーは、ヴェーダの象徴である甲冑(カヴァチャ)を贈りました。女神サラスワティは貴重なパールの首飾りを贈りました。主シュリハリはスダルシャナ・チャクラ(円盤)を贈り、女神ラクシュミーは尽きることのない富を祝福しました。
ルドラは、剣を贈りました。その鞘には、十個の月のような印がありました。チャンドラは、疲れ知らずの、永遠の生命をもつ、強靭な馬を贈りました。トヴァシュタは、すばらしい戦車を贈りました。アグニは、山羊と牛の角でできた弓を贈りました。
太陽は、その光線と同じくらいの速さで飛んでいく、鋭くて力強い矢を贈りました。母なる地球は、稲妻と同じ速さでどこにでも移動できる靴を贈りました。その他の天上界の神々は、神聖な芳香の花輪を贈りました。
ガンダルヴァといった天上界の住人たちは、楽器を演奏しながら、見事な歌と踊りを皇帝プリトゥに降り注ぎました。彼らはまた、プリトゥに姿を消すことができる神秘的な力を祝福しました。マハルシたちは、彼にたくさんの祝福を降り注ぎました。海神は、巻貝を贈りました。海、川、山は、皇帝プリトゥの戦車は何の障害もなく自分たちを渡ることができると言いました。
その後、歴史や古典に詳しいスータ、王家の血統に精通するマーガダ、雄弁術を知るヴァンディは、プリトゥ王の栄光を称える歌を歌いました。ヴィーナの息子プリトゥは、彼らは自分たちを演出しようとしていることに気づきました。そして、すぐに明るい笑顔で彼らを呼ぶと、プリトゥは雲のように響く力強い声で言いました、
「おおスータ、マーガダ、ヴァンディよ、私の王としての資質は、まだ世の中には示されていないません。そのような状況で、今、あなた方は私の栄光を称えることができるのでしょうか?何を根拠にして、あなた方は私を称賛するのでしょうか?ですから、どうか、止めてください。私のことを偽って褒めれば、その言葉は不誠実なものとなります。あなた方の言葉は甘美です。いつか私がいなくなった時に、あなた方は、私の資質についての栄光を称えることができるのです。
Saty uttamaśloka-guṇānuvāde jugupsitaṁ na stavayanti sabhyāḥ
純粋な名声の持ち主であるシュリハリの栄光を称える時、高貴な人は、普通の人の栄光を称えることはしません。ですから、どうか、私の栄光を称えることはやめて、その代わりにシュリハリの栄光を称えてください。
人が、己の中に高貴で価値ある資質を吸収する力を持つことは可能です。ですが、そうした資質がまだ培われていない、表現されていないのに、どうして称賛を聞くことができましょうか?その人がそうした資質を持っていない場合には、どうやって他の人たちに己を褒めてくれるように頼むことができるというのでしょうか?一般の人たちはこうした称賛を聞いて、偽って褒められている人を非難することでしょう。彼らは、「少しでも努力していれば、本当にそうした資質を得ることができただろうに」といって、非難するのです。そして、その人を馬鹿にするのです。偽りの称賛を好んで聞きたがる愚か者は、人々が実際には彼を馬鹿にしていることには気づきません。
謙遜や自尊心、寛容の心に満たされた人は、己のいかなる過ちについても聞きたくはないものです。同様に、名声のある人は、たとえそれに値する有能な人であっても、己の称賛については聞きたくないものなのです。
おおスータよ!今現在、私はまだ、この世界では何の仕事もしていないし、名声も確立していません。名声も得ていません。無知な子供のように、どうやってあなた方に己を褒めさせることなどできましょうか?」と、プリトゥは尋ねました。
第四巻、第十五章はこれで終わりです。
第四巻、第十六章です。
この章では、ヴァンディ、マーガダという唱歌の専門家たちが皇帝プリトゥを称賛します。
マイトレーヤ・マハルシは、ヴィドゥラに言いました、「皇帝プリトゥの美しく雄弁な言葉を聞くと、唱歌の専門家たちは喜びに満たされました。そして、彼らはマハルシたちから促されるとすぐに、皇帝を称賛して歌いました。
アニルッダーヤ・ナマハ