シュリーマド・バーガヴァタム 第14話
更新日 : 2017.7.21
カテゴリー : シュリーマド・バーガヴァタム
9番目の化身として、主は、優れた聖者たちの祈りに応え、プルトゥ王に化身しました。彼は牛の姿をとって母なる大地からあらゆる薬効成分を搾り取りました。「おお、マハルシよ、その結果、皇帝プルトゥは非常に吉祥な存在とみなされています」
チャークシュサ・マンヴァンタラが満ちた後、すべての海は一つになり陸は海に飲み込まれました。そのとき主は魚の形をとり、ヴァイヴァシュヴァタ・マヌを船の形をとって陸地につなぎ保護しました。マツヤ・アヴァターラは至高の主の10番目の化身でした。
神々と悪魔たちが熾烈な戦いをしていたとき、11番目の化身として、すべてに浸透しているマハーヴィシュヌは亀に化身しました。彼は背中にマンダラ山を保ち、海を攪拌する間それを支えました。クールマ・アヴァターラが11番目の化身です。
12番目の化身は主ダンヴァンタリです。彼は海からアムリタの壺をもって現れ、アーユルヴェーダの知識を教えました。
13番目の化身はモーヒニーでした。この化身は悪魔を魅了し、神々(デーヴァタ)がアムリタを飲めるよう守りました。
ナラシンハとしての化身は至高の主マハーヴィシュヌの14番目の化身です。ナラシンハとして彼は、悪魔の王ヒラニヤカシプを膝に置き、その内臓を手の爪で引き裂きました。
15番目の化身で主はヴァーマナとして現れました。主は、皇帝バリの支配下にあった天界を救い出し、主インドラに引き渡すべく、皇帝バリによって執り行われてるヤグニャへと向かいました。3歩分の土地を求めるという口実で、主はインドラ神へ天界を引き渡しました。
パラシュラーマとしての化身のなかで主は、ヴェーダを完全に軽視した傲慢な王たちの残酷なふるまいを見て激怒しました。彼は地球を21周し、傲慢で残酷な王たちから地上のすべてを解放しました。これが16番目の化身でした。
tataḥ saptadaśe jātaḥ satyavatyāṁ parāśarāt
cakre veda-taroḥ śākhā dṛṣṭvā puṁso ‘lpa-medhasaḥ
17番目として主はクリシュナ・ドワイパーヤナ、聖仙パラーシャラと母サティヤバティの息子として化身しました。知性が弱まった人類を見て、ヴェーダと呼ばれる巨大な樹木を分割し、多様な分枝へと振り分けました。この仕事によって彼はヴェーダヴィヤ―サという称号を得ました。「ヴェーダヴィヤ―サ」は、「ヴェーダを分割するもの」を意味します。
ラーヴァナ、クンバカルナといった悪魔たちを滅ぼすという意図のもと、至高の主は18番目の化身としてシュリー・ラーマとして転生しました。彼は王子として生まれました。そして大洋に橋をかけるなどの途方もない数々の業績を達成しました。
19番目と20番目の化身として主はヤドゥ族の家系に生まれました。19番目はバララーマとして化身しました。20番目の化身はシュリー・クリシュナです。この二人の兄弟の形で、彼は母なる大地の負担を軽減しました。
21番目の化身として、未来のカリユガ初期に無神論者を欺くために主はマガダ国のブッダとして化身するでしょう。
聖仙スータがバーガヴァタムをショウナカとその他の聖者に教えていたとき、主ブッダとしての化身はまだ誕生していませんでした。このことが、この詩句から理解することができます。
カリ・ユガの終わりに、支配者たちが強盗と化し、市民の富のほとんどを奪い去った頃、主はヴィシュヌヤシュの息子、カルキとして化身するでしょう。これが主の22番目の化身になります。
これで主の22の化身が簡潔に説明されました。この先の章で書かれているハヤグリーヴァとハムサとしての化身を加えるならば、全部で24の化身になります。
おお聖仙たちよ!果てしなく水に満ちた湖から何千もの小川が湧き出るように、善の化身である主シュリーハリからは無数の化身が生まれます。天人、聖者、賞賛する才能をもった皇帝、マヌ、彼の子孫、さまざまなプラジャーパティ(先導者)たちは、至高の主のほんの一側面、一部にすぎません。
Ete cāṁśa-kalāḥ puṁsaḥ kṛṣṇas tu bhagavān svayam
誰もが至高の主のほんの一部の化身(アムシャ、かけら)です。しかしクリシュナはマハーヴィシュヌそのものです! 悪魔によって世界が不当に苦しめられたとき、主はこれらすべての部分的な化身を世界を守るために引き受けます。これはあらゆるユガ(時代)に起こります。
janma guhyaṁ bhagavato ya etat prayato naraḥ
sāyaṁ prātar gṛṇan bhaktyā duḥkha-grāmād vimucyate
純粋な心と知性で、一日に二度、主の化身についての聖なる物語を含むこの聖なる秘伝の経典を読む人はすべての苦しみから完全に解放されるでしょう!その人はサムサーラ(輪廻転生)と呼ばれれる束縛から救われるでしょう。
至高の主には形がありません。主は光輝(チャイタニヤ)の具現化です。主の幻影の力(マーヤー・シャクティ)であるマハト・タットヴァとその他の有効なエネルギー(カーリヤ・ルーパ)の助けを借り、この創造世界の全体が、実際のところただ単に真我(アートマ)の中にあるのです。
雲は風のなかに避難します。風は雲を運びますが、人々は空が運ぶと言います。煙は地にある塵が形を変えたものですが、火に属します。同様に見るという行為(ドルシャットヴァム)を真我(アートマ)に対しても押し付けています。
目撃者に他ならない「真我(アートマ)」に「見る行為」を押しつける人は知性を欠いています。
知識をその姿とする主は、手足などからなる粗大な肉体を持っていません。代わりに、トリグナを超えた、変容を受けない別の体を持っています。それは目に見えず、耳にも聞こえず、精妙な存在です。これは「サトルボディ/精妙体」と呼ばれます。
オーム・ナモー・ナーラーヤナ