ダッタ・クリヤー・ヨーガ
ダッタ・クリヤー・ヨーガは、呼吸の統御によって心と体を強める「呼吸と瞑想の科学」です。心身の健康を生む総合的な行法です。集中したヨーガの呼吸は、心を静め、全身に生命エネルギー(プラーナ)を流します。プラーナは、私たちの精妙なエネルギーシステムを維持し活性化させる生命エネルギーです。精妙なエネルギーシステムの活性化によって、私たちは体、心、スピリットに物理的・精神的恩恵を受けることができます。
太古から、ダッタートレーヤ神はヨーガの提起者とみなされてきました。「ダッタ・クリヤー・ヨーガ」の「ダッタ」は、ダッタートレーヤ神から来ています。ダッタ・クリヤー・ヨーガには、アシュタンガ・ヨーガ(ラージャ・ヨーガ)、ハタ・ヨーガ、クンダリニー・ヨーガなどが含まれます。
シュリー・ガナパティ・サッチダーナンダ・スワミジは、ダッタートレーヤ神の系譜に属するダッタ・クリヤー・ヨーガの指導者です。自身の経験に基づいた実践的な方法でダッタ・クリヤー・ヨーガのクラスを東洋・西洋で求道者に教えてきました。
シュリー・スワミジの母でありグルであるジャヤ・ラクシュミー・マーターは、ラージャ・ヨーガ(瞑想のヨーガ)とシュリー・ヴィディヤ(聖なる知識)のマスターでした。ジャヤ・ラクシュミー・マーターは、シュリー・スワミジが少年だった時に、少年の頭に手を置き、その手からエネルギーを渡すという形で、シュリー・ヴィディヤ(聖なる知識)を伝授しました。詳細な描写はシュリー・スワミジの人生期である『神の化身たち―シュリー・ガナパティ・サッチダーナンダ・スワミジの人生』に記録されています。
シュリー・スワミジは誕生した時点ですでに「成就」された状態でしたが、万人が通る意識の進化過程を「模範」として実演するために、サーダナ(霊性修養)の道を辿りました。その過程で、シュリー・ジャヤ・ラクシュミー・マーターの伝えたエネルギーと知識はシュリー・スワミジに深い影響を与えています。 古代のヨーガ実践者たちは、寿命は呼吸で測られると信じていました。呼吸が速いほど寿命が短くなることは現代科学によって確認されています。呼吸が速いと、呼吸が浅くなり、健康状態が悪化します。ダッタ・クリヤー・ヨーガは、体調や環境に関係なく、全ての人が簡単に実践できる形式で教えられます。必要なのは、学ぶ意欲と、実践を継続する努力だけです。
ダッタ・クリヤー・ヨーガの毎日の実践は、喜びに満ちた至福の人生につながります。
シュリー・スワミジは現代のライフスタイル(食べ物、環境、考え方)の不均衡を調整するために、特定の精神的行法、プラーナ(生命エネルギー)的行法、ヨーガのアーサナ(姿勢)を組み合わせ、「多様性の統合」というコンセプトでヨーガを推進しました。シュリー・スワミジは何十年もの間、世界中のすべての求道者にダッタ・クリヤー・ヨーガを教えています。
ダッタ・クリヤー・ヨーガの実践は、どのような宗教的信条を持つ人でも実践できます。ヨーガは、普遍性を持つ精神的科学です。ヨーガは意識における気づきと意思によって心身を統合させます。それは私たちの内なる自己や周囲の世界への理解とつながりを深めます。これはひいては人類に利益をもたらし奉仕するものです。
ヨーガは健康に有益ですが、それだけで終わるものではありません。ヨーガは心をコントロールする力を与え、より高位の真実の領域に達する方法を示します。霊的な道、スピリチュアルな道は、たくさんの道がありますが、最終的な目的に達するために、すべての道が何らかの形でヨーガに関わっています。