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ラリタ・サハスラナーマの名の意味121~131

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121. Bhayāpahā バヤーパハー

意味)彼女は熱心な信奉者の恐れの全てを消し去ります。
全ての恐怖の消失は、このシャンバヴィ・ヴィディヤに取り組む結果です。

122. Śāmbhavī シャンバヴィー

意味)シャンブー(シヴァの別名)の妻として彼女はシャンバヴィーの名を持ちます。
「Shamシャム」は「女神」を意味し、「Bhuブー」は、「~生じる」を意味します。そのため「Shambhuシャンブー」は、彼が女神から生まれ、誠実さの実践と女神を通して理解されるということを意味します。彼のエネルギー・妻がシャンバヴィーです。
主シャンブーはこうした高潔さと善良さなどの気質を高く評価し、それらを信奉者たちに降り注ぎます。
ヴェーダの賛美詩『チャマカム』には次の詩句があります。「śam ca me mayaśca me シャム チャ メー マヤシュチャ メー」であり、「この世とあの世において幸福(善・高潔)が私にありますように」という意味です。

123. Śāradārādhyā シャーラダーラーディヤー

この名には二つの意味があります。

1)シャーラダは女神サラスワティで、この創造界における全知識の女神です。この女神シャーラダは至高の母を礼拝(アーラディヤ)しています。

これは至高の母が全知識への権威であり、知識によって礼拝(アーラディヤ)されているということを意味しています。

2)至高の母はシャラドゥ(秋)のルツ(季節)に礼拝されます。

この季節(シャラドゥ・ルツ)には、モンスーンが落ち着き、天候は穏やかで平安になります。しかし、この時期には、あらゆる種類の細菌やバクテリアの繁殖期で注意することが大切です。そのためヤマ・カーラ(危険な時期)とも呼ばれます。これらの細菌が感染症・疾病を引き起こします。この季節には、ターメリック、クムクマ、樟脳など、吉祥の素材を用いた縁起の良い儀式が伝統的に規定され、それは感染症や疾病からの保護のためです。

124. Śarvānī シャルヴァーニ

意味)彼女はシャルヴァ(シヴァの別名)の妻であり、そのためシャルヴァーニです。
深い眠り(スシュプティ)に入っていくとき、人は不動になり、思考と行為はなくなります。自分の存在、名前、姿すらも意識していません。そのような時間にある存在を守り、やがて目覚めさせ、動きを与えるのがシャルヴァです。シャルヴァーニはその妻であり、深い眠りにいる私たちの内部にあり保護しているエネルギー(シャクティ)を表しています。

125. Śarma-dāyinī シャルマダーイニー

意味)彼女はその信奉者たちに吉祥と幸福を授けます。
「シャルマ」の語は「ヴェーダ」を意味します。また「アートマ・ヴィディヤ(真我の知識)」も意味します。ヴェーダの継続的な学習、あるいは真我の知識の習得によって、素材物は吉祥さを祝福されます。
「シャルマ」はインドにおいてよくある名前です。この名前は時間をヴェーダの学習、ブラフマーへの熟考、真我の知識(アートマ・ヴィディヤ)の習得のために使うことを思い出させます。
彼女に達するための二つの道があります。一つは正しい生活であり、もう一つは適切な礼拝です。彼女はブラフマー・ヴィディヤ(至高者の知識)をこれらの方式に従い、それに値する人々に授けます。これが彼女が授ける真の吉祥さです。

126. Śānkarī シャーンカリー

意味)主シャンカラ(シヴァ)のエネルギー(妻)として、彼女はシャーンカリーです。
「シャンカラ」の語も「吉祥」の同義語です。

śam karoteeti śankarah シャム・カローティーティ・シャンカラハ。善行を行い、そのような善行をする者を祝福するのがシャンカラとして知られています。その彼のエネルギーがシャーンカリーです。

女神シャーンカりーの寺院は、至高の母の18の寺院(アシュタダシャー・シャクティ・ピータ)の一つであり、スリランカにあります。

127. Śrī-karī シュリーカリー

意味)彼女はシュリー(至高の知識)を授けます。

「シュリー」の語は、まっさきに富や物質的な資産といった全てのものを想起させます。しかし「シュリー」の語には、多くの秘められた意味(1の名の意味参照)があります。シュリーは「究極で至高の知識」を意味します。これは彼女を礼拝する究極の結果です。

128. Sādhvī サードヴィー

意味)彼女は優しく敬虔な女性です。

サードヴィーは、主に純質(サットヴァ・グナ)を持ち、聖者のように怒り、嫉妬、憎しみなどがなく優しい性質です。

この定義から彼女にとって聖者たちが親愛の対象であることが類推できます。彼女は彼女を熱心に信奉する人々に聖者のような態度、落ち着き、精神的な平安、良い思いを祝福します。彼女は全ての混乱と緊張を心から取り去ります。

これは113番目の名であるバーヴァナーガムミャーと密接に関係しています。適切な感覚(バーヴァナ)を培うことを通してのみ、この聖者のような状態が達成されます。

『バガヴァッド・ギーター』で主は述べています。
nāsti buddhir ayuktasya na cāyuktasya bhāvana
na cābhavayatah sāntir asāntasya kutah sukham
意味)至高の意識とつながっていない者、ヨーガ(ユクティ)とつながっていない者、ヨーガサーダナを行わない者は、適切なブッディ(知性)を持つことが出来ない。この良い知性の欠如が、善良で健全な思いの欠如を引き起こす。そのため良い感覚(バーヴァナ)が培われない。適切なバーヴァナのない心は平安(シャーンティ)を経験できない。平安(シャーンティ)のない心は幸福(スカ)を見出せない。

正しい態度と適切なバーヴァナ(心の受容、感覚等)が平安をもたらします。平安のない心は、世界中の富が降り注いでも幸福になれません。幼児が神に例えられるのは、子どもには利己心がなく、貪欲という思いを知らないためです。彼らは平安を楽しみます。

幼児を除いて、他のすべての存在の全行為が、条件づけられた固有の利己主義から生じます。私たちのウパニシャッドは明確に定義しています。「Atmanastu kāmāya sarvam priyam bhavati アートマナストゥ・カーマーヤ・サルヴァム・プリヤム・バヴァティ(人が行う全ての行為は個人的な欲望から生じる)」

私たちはそれを意識できていない可能性があります。

真の平安(シャーンティ)は、知識(ジニャーナ)から生じます。すなわち、シュリーカリー(至高の知識)は人をサードヴィー(平安・非利己)の状態へ連れていきます。

129. Śaraccandra-nibhānanā シャラッチャンドラ・ニバーナナー

意味)彼女の顔は秋(シャラドゥ・ルツ)の満月(プールニマ・チャンドラ)のように輝きます。
秋空には雲がなく冷涼さを全てに降り注ぎながら、まばゆく輝きます。

130. Śātodarī シャートーダリー

1)彼女の腰(ウダラ)は目に見えない(シャータ)ほどの細さです。
この名は35の名の「ラクシュヤ・ローマ・ラターダーラタ・サムンネーヤ・マディヤマー」ととても近しい意味を持ちます。

至高のエネルギーは無限であり、始まりも終わりもありません。どのようにしてその終わりのないエネルギーの真ん中を見ることができるでしょうか?偉大な聖者であるアンナマーチャリヤはこの無限の姿を作詞しています。「おお母よ、あなたは状況によって大きさを変えます。ある人にはあなたは巨大で無限です。次にあなたは別の人のために原子のように小さくなります」

2)「ウダラ」は「洞窟」です。ヒマラヤには多くの洞窟があり、それは「シャートーダラ」として知られています。ヒマラヤの娘として、至高の母は「シャートーダリー」として知られています。

私たちの身体はヒマラヤ山と関係しています。ハートは彼女が住む洞窟です。彼女はこの山の娘です。

131. Śāntimatī シャーンティマティー

意味)彼女は平安の表れです。彼女の知性(マティ)は、シャーンティ(平安)に満ちています。

平安の欠如(アシャーンティ)が支配するとき、彼女は平安を取り戻すために踏み出します。
全ての悪魔たちを打倒し、彼女はガナパティをムーラーダーラチャクラに就任させ、私たちの保護のために彼を地上におろします。

続く

⇒ラリタ・サハスラナーマ目次
※シュリ・スワミジによる『ラリタ・サハスラナーマ』の詠唱アプリはこちらです。
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