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ラリタ・サハスラナーマの名の意味231~240

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231. Mahā-bhairava-poojitā マハー・バイラヴァ・プージター

意味)マハー・バイラヴァが彼女を礼拝します。

バイラヴァはシヴァ神の化身であり、様々な寺院におけるクシェートラ・パーラカ(聖地の保護者、守護神)です。聖地への巡礼はその寺院のクシェートラ・パーラカを礼拝しなければ不完全なものです。彼はカーラ・バイラヴァの姿で聖地カーシーを守護しています。

多くのバイラヴァがいます。カーラ・バイラヴァ、カルパーンタ・バイラヴァ、ルル・バイラヴァ、ウグラ・バイラヴァ、チャンドラ・バイラヴァ、プラチャンダ・バイラヴァなどです。これら全てのバイラヴァが彼女を礼拝しているので、彼女はマハー・バイラヴァ・プージターです。

これと類似して、存在の中にはその存在を守るクシェートラ・パーラカ(守護神)がいます。それは知性(ブッディ)です。ここで精妙な形で言及されているのは知性です。彼女を常に礼拝するための精妙な助言がされていて、それは知性(マハー・バイラヴァ)を使うことです。

232. Maheśvara-mahākalpa-mahātāṇḍava-sakṣiṇī マヘーシュヴァラ・マハーカルパ・マハーターンダヴァ・サクシニー
(これらで16のアルファベッドからなる一つの名)

意味)彼女は最後の溶解(マハーカルパ)の時のマヘーシュワラ(主ナタラージャ)の至福の舞踊(マハー・ターンダヴァ)の目撃者です。

ユガ(時代)は4つあります。それらはクリタユガ、トレータユガ、ドヴァーパラユガ、カリユガです。カリユガが最後です。私たちはカリユガにいます。

カリユガは43万2000年の期間です。ドヴァーパラユガは倍の86万4000年です。トレータユガはカリユガの3倍で126万4000年です。クリタユガはカリユガの4倍の172万8000年です。これらのユガの合計が432万年です。

こうした4ユガが71回繰り返されると1マンヴァンタラ(3億672万年)です。14マンヴァンタラがブラフマー神の1日(42億9408万年)で、これが1カルパです。ブラフマー神の寿命は(ブラフマンの時間による)100年で、それがマハー・カルパです。

大溶解がマハー・カルパの最後に生じ、全創造が一掃されます。そのような時にマヘーシュワラ神が絶対的至福の舞踊(マハー・タンダヴァ)を踊ります。彼女はその至福の舞踊の目撃者です。

233. Mahā-kāmeśa-mahiṣī マハー・カーメーシャ・マヒシー

意味)彼女はマハー・カーメーシャつまりパラブラフマーの皇妃(マヒシ)です。

カ―メ―シュワラ、カーメーシャはパラブラフマーについて言及しています。大溶解(前述)の後は、ブラフマーすらも存在せず、パラブラフマーだけが存在しています。彼の聖なるエネルギーが皇妃として言及されています。

パラブラフマーは不断の聖なる至福(アーナンダ)の状態に浸っていて不動(スターヌ)です。エネルギー(聖なる母)は、蔓(ラター)のように、不動(スターヌ)の状態で座っているパラブラフマーにまきついてきます。彼女のエネルギーが彼を行為へと駆り立てます。そして新たな創造が起こります。

この過程は、アンドラプラデーシュ州シュリーセイラムのマッリカールジュナ寺院で見ることができます。シヴァ神として礼拝されているヴルッダ(老)・マッリカージュルナ・スワミ・リンガムは、岩のように見えますが、実際は木の幹が化石化したものです。血痕をはっきりと見ることができます。パラブラフマーが不動の状態で座っていた時、彼のエネルギーがジャスミンの蔓のように巻き付きました。これによって枯れた幹が芽を出し、創造を再開しました。木の枝を全開に伸ばすと、それは容赦なく切り落とされました。これは五回繰り返され、その度に木は無慈悲に切り落とされました。最終的に蔓はその木から離れることを決めました。

これは人間の体にも見られることです。全てのエネルギーを使い尽くして横たわって動けなくなっている人が、食べ物を与えられると、シャクティ(エネルギー)が戻り、それが動きのない体に巻き付きます。これが身体を刺激し、動きを再開させます。

人間の体の場合はこのような刺激は血液細胞に供給されます。プラーナーヤーマはそのような刺激を引き起こします。プラーナーヤーマは体が温かくなり、大量の汗をかくまで行う必要があります。この深い呼吸の過程が体内で健全な細胞を活性化し、病んだ毒気のある細胞を滅します。毒気がある細胞は、浅い呼吸によって繁栄します。

このプラーナ―ヤーマの過程とそれが引き起こす刺激が、この蔓の物語で説明されています。プラーナーヤーマでの深い呼吸の過程がナーディ(蔓として言及されている精妙なアストラル神経)を刺激します。主要なナーディはイダー、ピンガラ、スシュムナーです。プラーナーヤーマによって生命力がこれらのナーディに吹き込まれると新しい意識(チャイタニヤ)が私たちに生じます。これがなされるまで、私たちはチャイタニヤを奪われています。

『ラリタ・サハスラナーマ』の名の順序にしてがっていきましょう。大溶解(マハー・プララヤ)の後、至高のシヴァは至福の舞踊(マハー・タンダヴァ)を踊り、その唯一の目撃者は彼女(シャクティ・エネルギー)です。彼は至福の中にいます。新たな創造の引き金として聖なるエネルギーが彼を刺激します。次の名前は、刺激が与えられた後に現れる状態を説明しています。創造の第一段階が詳細に説明されています。創造の第一段階は常に三つ組み(トリプティ)です。

この過程を個人レベルに適用させてみましょう。内なる礼拝(前述のマハー・ヤーガ・クラマーラーディヤーの名で説明されている)を通して、個人は瞑想状態に入り、無限のものと一つになります。これがマハー・プララヤ(大溶解、完全な融合)です。この時、マハー・タンダヴァ(至福の舞踊)が行われます。そのように岩のように不動の状態で至福を楽しんでいる人を彼女(エネルギー)は刺激します。彼は深い瞑想から目覚め、物質世界に降下し始めます。創造の第一段階はトリプティ(三つ組み)です。これによって個人は物質世界に戻ってきます。

234. Mahā-tripura-sundarī マハー・トリプラ・スンダリー

意味)彼女はマハー・トリプランビカーであり、全創造の原因です。
シュリーチャクラでは、頂点の点はビンドゥと呼ばれます。そのビンドゥのすぐ下は、トリコーナ/トリプラと呼ばれる三角形です。このトリプラを支配するもっとも偉大な皇妃であるため、彼女はマハー・トリプラ・スンダリーとして知られています。

創造の第一段階は三つ組み(トリプティまたはトリプラ)です。全創造がこの三つ組みです。すべての側面から三つの構成要素、つまり主体、対象、対象が認知される過程があります。分析や学習を行う人は「主体」です。その探求が向かうのが「対象」です。その対象への探求過程が三番目のものを構成します。この三つ組みが存在の全階層に見られ、この創造の全側面がこの三つの構成要素に分解できます。

235. Chatuḥ-ṣaṣṭyupacārāḍhyā チャトゥフ・シャシュティユーパチャーラーディヤー

意味)彼女は64の形の奉仕(ウパチャーラ)として礼拝されます。

家庭で行われる毎日のプージャは16種類の奉仕(ショーダシャ・ウパチャーラ・プージャ)として神々に捧げられます。実は、神々は64の形の奉仕を捧げられていて、そのようなプージャを彼女は愛します。「バヴァーバラナ・プージャ」の過程で見ることができるのは、この非常に詳細なプージャの手順です。

236. Catuḥṣaṣṭi-kalāmayī チャトゥフ・シャシュティ・カラーマイー

意味)彼女は64の術(カラー)が人格化した存在です。
全64の術が彼女の中にあり、彼女の一部です。彼女はこれらの術の体現だと言うことができます。

237. Mahā-catuḥ-ṣaṣti-koṭi-yoginī-gana-sevithā マハー・チャトゥフ・シャシュティ・コーティ・ヨーギニー・ガナ・セーヴィター

意味)6億4千万のヨーギニー・デーヴァタ(亜女神)が彼女に仕えています。

238. Manu-vidyā マヌ・ヴィディヤー

意味)彼女はマヌ・ヴィディヤと呼ばれる方法で礼拝することができます。

彼女の礼拝について様々な方法があります。それらの一つがマヌ・ヴィディヤあるいはマヌが採用した手法です。マヌは現在の期間(マンヴァンタラ)の主要な原因であり、その期間を統治している王です。

マヌはマントラでもあり、したがってこれはマントラ・ヴィディヤ(マントラの知識)でもあります。

239. Chandra-vidyā チャンドラ・ヴィディヤー

意味)彼女はチャンドラ・ヴィディヤという方法で礼拝することができます。

チャンドラは月です。月が彼女を礼拝する手法としてチャンドラ・ヴィディヤが知られています。

240. Chandra-maṇḍala-madhyagā チャンドラ・マンダラ・マディヤガー

意味)チャンドラ(月)はアジュナー・チャクラ(眉間に位置する第六チャクラ)に言及しています。ここで彼女は精妙な姿で存在しています。月は心を冷やし幸せを降り注ぎます。彼女もまたこの幸せを私たちに降り注ぎます。この名はヨーガと深く関係しています。

続く

⇒ラリタ・サハスラナーマ目次
※シュリ・スワミジによる『ラリタ・サハスラナーマ』の詠唱アプリはこちらです。
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