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ラリタ・サハスラナーマの名の意味271~280

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271. Īśvarī イーシュヴァリー

意味)ティローダーナの仕事をするために至高の母はイーシュヴァリーという名を持ちます。
イーシュヴァラは、様々な存在をその統治下(ヴァシャ)に置く存在です。溶解(ラヤ、あるいはプララヤ)の時、彼は全てを彼に吸収します。その後再び同じ存在が創造の時に再生されます。

272. Sadāśivā サダーシヴァー

意味)サダーシヴァーとして、彼女は五番目の仕事であるアヌグラハを行ないます。

サダーシヴァーは「sat+ ā +shiva」に分けることができます。「サット」は永遠不死のものです。「アー」は完全なものです。「シヴァ」は吉祥を授けるものです。したがってサダーシヴァは輪廻転生から人を救い、永続的で完全な解放(サンプールナ・モークシャ)を保証します。彼は完全な吉祥さを授けます。これがアヌグラハ(祝福)です。信奉者は彼の霊的な努力と善行によってその状態に到達することができます。
サダーシヴァとサダーシヴァーは同じエネルギーを表し、それぞれが男性と女性の姿をとります。この神に到達することが全ての生命の唯一の目的です。彼は平穏な性質であり、限りない慈悲を持ち、そのような存在として思い描くべき存在です。
シヴァ、イーシュヴァラ、ルドラという名前があり紛らわしさがあります。この三柱の神は非常に似ていますが働きが異なり、それぞれが違った三つの力です。

273. Anugrahadā アヌグラハダー

意味)サダーシヴァーとして、彼女はアヌグラハの仕事をします。

アヌグラハは一般的に「祝福を授けること」と理解されています。しかしアヌグラハの語は「アヌ+グラハ」の二語からなります。「グラハ」は強力な引力を意味します。アヌグラハは、その強力な引力を中心に回転することを意味します。
至高の神は、ご自身を引き寄せる者に従い、彼らが求めているものに応じて彼らを祝福します。『バガヴァッド・ギーター』で、「Ye yatha mām prapadyante tāms tathaiva bhajāmy aham イェーヤタ マーム プラパディヤンテー タームス タタイヴァ バジャーミャハム」 とあり、それは「その人が惹きつけられるあり方に応じて、私はその人に報いる」という意味です。
神を引き寄せるために必要な努力をなす責任は私たちにあります。引力が弱ければ、結果もそれに応じたものになります。もし神との永遠の融合を求めるなら、その結果が与えられるでしょう。

274. Pañcakṛtya-parāyaṇā パンチャクルティヤ・パラーヤナー

意味)パンチャ・ブラフマーを媒体にして彼女は五つの主要な仕事を入念に成し遂げます。

次のものは、「ソウンダルヤ・ラヒリ」の第24の詩句です。

Jagat-sūte dhātā harir-avati rudrah kshhapayate
tiraskurvan-netat svam-api vapur-īshas-tirayati /
sadā pūrvas-sarvam tadidam-anugṛhnati ca shivah
tavājnām-ālabhya kshhana-calitayor-bhrūlatikayoh
ジャガト・スーテー ダーターヴァティ ルドラハ クシャッパヤテー
ティラスクルヴァン・ネータトゥ スヴァマピ ヴァプリーシャスティラヤティ
サダー プールヴァサルヴァム タディダマヌグラハナティ チャ シヴァハ
タヴァージャーマーラビャ クッシャナ・チャィタヨール・ブルーラティカヨーホ

意味)ブラフマは創造し、ヴィシュヌは保護し、ルドラは破壊します。イーシュヴァラはトリダーナの仕事を行ない、最後にサダーシヴァとして至高の母は最終的な解放を生類に与えます。この全てが一瞬の彼女の眉毛の動きによって生じるのです!
次に女神バイラヴィとしての彼女への礼拝・念拝(ウパーサナ)の過程が275~280の名によって説明されます。

275. Bhānu-maṇḍala-madhyastā バーヌ・マンダラ・マディヤスター

意味)彼女は太陽系の中心にいます。
彼女は太陽が自ら輝いているその原因となる力です。
太陽は生命とその存在の原因です。また健康の背後にある原因でもあります。日常生活の中で太陽から受けた恩恵を分析する人は、太陽に対して感謝の念を持ち、太陽に敬意を表そうとします。このことから早朝にスーリヤ・ナマスカール(太陽礼拝)をする伝統が生まれました。
この外的な太陽系とおなじように、あらゆる存在のハートの中に太陽系があります。「アサヴァーディティヨー・ブラフマー Asavādityo Brahma」は、外に見える太陽とハートの中にある太陽は同一のものであるという意味です。

『グル・ギーター』は次のように述べています。
「ハンサービャム パリヴルッタ ハールダ カマレー hamsābhyām parivrtta hārda kamalē…」
お互いに向き合った蓮の花がハートの中にあります。この二つの蓮はナマスカールにおける合掌を表しています。蓮は開花のために太陽の光を必要とします。そのために太陽がハート(チダーカーシャ)の中にいます。太陽は知識(ジュニャーナ)の化身であり、生類に必要なチャイタニヤ(意識)と知識(ジニャーナ)を与えます。至高の母はこの太陽として現れます。つまり、彼女は私たちのハートの中に精妙な姿で存在しているのです。
実際、至高の母のエネルギーは体のいたる箇所、目に見える宇宙の全てのものの中に見られます。私たちの食べもの、川、石、これらの全てがパラブラフマーです。
しかし、簡単に彼女を呼び起こすことができる特別な場所があり、それは眉間、ハート、臍の位置です。これら三つのいずれかに心の焦点を合わせると、すみやかに霊的に成長することができます。

276. Bhairavī バイラヴィー

彼女はバイラヴァ神(シヴァの別の姿)のエネルギーです。

277. Bhagamālinī バガマーリニー

この名は二通りの方法で解釈できます。
1) 彼女はさまざまな種類の繁栄(バガ)を首飾り(マーラー)として身に着けています。

Aishwaryasya samagrasya veeryasya yaśaśah sriyah
Jnānah vairāgyayos caiva śanṇam bhaga iteernām
アイシュワルヤスヤ サマグラスヤ ヴィールヤスヤ ヤシャシャハ スリヤハ
ジュナーナハ ヴァイラーギャヨース チャイヴァ シャンナム バガ イティールナーム

意味)物質的な繁栄、勇気、武勇、名声、知識、無執着(ヴァイラーギャ)は全て彼女の特質です。これらの集合が「バガ」として知られています。
彼女は繁栄(バガ)を首につけ、それらを彼女の信奉者に降り注ぎます。

ケーララ州にあるチョーッタニカラ寺院では、至高の母がバガヴァティ、あるいはナーラーヤニーとして礼拝されています。バガヴァティにおける「バガ」はこれを表しています。

2) 彼女は十二の太陽(バガ)を彼女の首飾り(マーラー)としてまいています。

バガは太陽神の名の一つです。私たちの古代の経典は、私たちの太陽系が、ミトラ、ラヴィ、スーリヤ、ヴァーヌ、カガー、プーシャ、ヒラニヤガルヴァ、マリーチ、アーディトヤ、サヴィトリ、アルカ、バースカレーの合計十二の太陽で構成されていると宣言しています。これらすべてが地上の生命に影響を与えます。彼女が首に十二の太陽で輝く花輪を首にかけているとき、彼女はバガ・マーリニーです。

278. Padmāsanā パドマーサナー

意味
1) 彼女は蓮華座を組んで座っている、あるいは蓮が彼女の座(アーサナ)です。
パドマーサナはヨーガにおける姿勢の一つです。パドマーサナは生命力(プラーナシャクティ)の流れを拘束(バンダ)する簡単な手段です。それは生命力が外に流れていくのを防ぎます。

2) パドマは繁栄を表し、彼女はその上に座っています。
女神ラクシュミー(繁栄の女神)はパドマとして知られています。ヴェーダにおける『シュリースークタム』の中で、彼女はパドマとして言及されています。「パドマ プリイェー パドミニ パドマ ハステー パドマ― ライェー パドマ ダラ ヤタークシpadma priye padmini padma haste padmā laye padma dala yatāksi」。

この女神は信奉者に繁栄を祝福し、それの繁栄は物質的なものと知識の形の両方です。
蓮はとても繊細な花であり、すぐに枯れてしまい、その寿命は太陽に依存しています。このことは金銭や物質的な豊かさは実体に乏しく、すぐに消えてしまう可能性があることを教えてくれます。

279. Bhagavatī バガヴァティー

意味)彼女は女神バガヴァティーの顕現です。

彼女は完全な繁栄の姿をしています。バガヴァティーはパラブラフマーです。
私たちの古代の経典はバガヴァティーを次のように定義しています。

Utpattim pralayam caiva bhutā-nāmāgatim gatim
avidyaya vidyayos tattvam vetteeti Bhagavati sow
ウトゥパッティム プララヤム チャイヴァ ブター・ナーマーガティム ガティム
アヴィディヤヤ ヴィディヨース タットヴァム ヴェーッティーティ バガヴァティ ソワ

意味)創造、維持、創造の溶解についての完全は知識を持っている彼女はバガヴァティーです。彼女は知識(ヴィディヤ)と無知(アヴィディヤ)の両方の体現です。

280. Padmanābha-sahodarī パドマナーバ・サホーダリー

意味)彼女はヴィシュヌ(パドマナーバ)の妹です。
これはヴィシュヌと共に、彼女がこの創造の維持について責任を負っているということを示しています。
プリ―ジャガンナータ寺院では、クリシュナ、バララーマ、スバドラーの兄弟姉妹が礼拝されています。クリシュナの化身の間に、彼女は二度現れました。最初は悪魔カンサの手から赤ん坊のクリシュナを守るためにヨーガマーヤとしてヴァスデーヴァとデーヴァキ(クリシュナの両親)の間に生まれ、その後、スバドラーとして同じ両親から生まれました。この名前によってバイラヴィ・ウパーサナが完成します。

続く

ラリタ・サハスラナーマの紹介
アンガニャーサとカラニャーサ(身体への神の勧請)
瞑想のための詩句
パンチョ―パチャラ・プージャ(五つの捧げものの儀式)
ムーラグランタ(基調詩節)1-111
サハスラナーマ112-1000

※シュリ・スワミジによる『ラリタ・サハスラナーマ』の詠唱アプリはこちらです。
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