シュリーマド・バーガヴァタム 第49話(ユディシュティラの恐れ)
更新日 : 2018.8.21
カテゴリー : シュリーマド・バーガヴァタム
ユディシュティラは続けました。
「ビーマよ。塵が四方向すべてを完全に包み込んで、まるで太陽と月の周りに多くの銀河が形成されているようだ。山々と大地と恐ろしく震えている。雲もないのに恐ろしい雷鳴が轟いている。あの稲妻を見てごらん。
風が恐ろしく吹き荒れて塵を四方八方に激しく撒き散らし、暗闇を作っている。雲は恐ろしい血色の災いのにわか雨を降らせている。太陽の光は弱まり、天空では、惑星同士がお互いに争っている。まるですべてが燃えて、無数の生き物が泣いているかのようだ。
ビーマよ。すべての河川、池、湖、人間の心もすっかり動揺しているようだ。ギーを注いでも火はもう燃え上がらない。この永遠の時がどんな災害をもたらすだろうか。
見てみなさい。子牛はもはや母牛の乳を飲もうとしない。母牛たちも乳を与えるのをやめた。ギー(透明なバター)を火に注ぐと、火を強めるどころか、火を弱める。立ったまま涙を流しているあの雌牛たち見よ。放牧中の雄牛たちも草を食みながらも喜んではいない。
神々の偶像から、涙が溢れ流れている。村、都市、町、アーシュラム、庭園、畑はどこにも活力と輝きがなくなり、幸福感を失っている。これらはどんな災厄を暗示しようとしているのだろうか。私にはわからない。どこを見てもすべて、小さいものから大きなものまで、災難が差し迫っているのを暗示している。どこに行っても不吉な兆しか見えない。
様々な不吉な前兆から、まもなく大地がその輝きを失うと確信している。これらの不吉な兆候は、大地がまもなく主クリシュナの蓮の足跡を失う前触れだ」
ユディシュティラがこれらすべての不吉な予兆を見て深く嘆いていると、アルジュナがドワーラカから戻ってきました。
過去に見たことのない程悲しみに沈んだアルジュナは、部屋に入り兄の足元にお辞儀をしました。アルジュナは頭を垂れ、涙を流していました。
すっかり顔色を失い、青ざめた弟を見たユディシュティラは、賢人ナーラダの言葉を思い出しました。彼は、親族や友人たちの前で、強い不安と動揺を抱きながら、アルジュナに次のように尋ねました。
「アルジュナよ!ドワーラカの都市にはマドゥ、ボージャ、ダシャルハ、アールハ、サートヴァタ、ヴルシュニとアンダカ一族がいるが、ヤーダヴァの親戚はみな幸せで、平和だろうか?私たちの母方の祖父のシューラセーナは幸せにしておられるか?母方の伯父ヴァスデーヴァや兄弟は元気でおられるか?彼の七人の妻はデーヴァキー、その息子、義理の娘、そして孫たちは元気か?
ウグレセーナ王はどうなさっておられる?邪悪なカンサの死によって、王は息子を亡くされた。ウグラセーナの兄弟デーヴァカはまだ生きておられるか? ダディーカと彼の息子クルタヴァルマは元気か? アクルナ、ジャヤンタ、ガダ、サーラナは幸せに快適に暮らしているか? シャトルジットと他のヤーダヴァの戦士たちは元気か?ヤーダヴァの敬虔なる主バララーマは元気だろうか?
ヴルシュニ族の偉大な戦士であるプラデュムナは元気か?戦争中に想像を絶するくらい機敏な動きを見せる敬虔なアニルッダは元気か?幸せでいるだろうか?見込みあるスシェーナ、チャールデーシュタ、ジャーンババティの息子サーンバ、ルシャバ、シュリー・クリシュナの子どもたち、他の子どもたちも元気だろうか?
シュルタデーヴァ、ウッダヴァ、シュリー・クリシュナの付添人は、幸せで、元気か?ナンダ、スナンダと他の高貴なヤーダヴァの親戚はお元気か? 主シュリー・クリシュナの忠実な保護の下に住んでいる人たちはみんなお元気か?彼らの暮らしは快適で幸せだろうか? 」
彼がバララーマとシュリー・クリシュナについて最後に尋ねていることに注目してください。
どうして彼は直接的に「パラマートマは死んでいるのか、生きているのか?」と尋ねることができるのでしょうか。ユディシュティラへのこの問いかけには、彼の心の柔らかさと言葉の優しさがはっきりと表れています。これは注目に値します。彼のこの言葉から、彼の感情の激しさを推し量ることができます。
「バララーマとシュリー・クリシュナは私たちを愛していらっしゃるだろうか。今もなお私たちの幸福を願っておられるのだろうか?シュリー・クリシュナは、博学なヴェーダ学者と信奉者に対して深い愛情を抱いているが、ドワーラカのスダルマの王宮で友人たちに囲まれて、安らぎと幸福を味わっているのだろうか?
Maṅgalāya ca lokānāṁ kṣemāya ca bhavāya ca
Āste yadu-kulāmbhodhāv ādyo ananta-sakhaḥ pumān
原初のプルシャ(魂)であるシュリーマン・ナーラーヤナは、アナンタ(無限)そのもののバララーマと共におられ、この世界の幸福、繁栄と保護を維持する目的で、シュリー・クリシュナの姿をとって大海から姿を現し、ヤドゥ族の系譜に化身した。
ドワーラカ市に住むヤーダヴァ族は、主の強力な武力の保護下で日常生活をしている。そのようなヤーダヴァたちは最も幸運な人々だ。すべてのローカ(存在の次元)で礼拝されている主マハーヴィシュヌの奉仕者と付添人としてあり続け、彼らは幸せに満ちている。
サッティヤバーマとシュリー・クリシュナの一万六千人の妃たちは、主への最も重要な奉仕として神の蓮の御足を礼拝し、仕えることを、主への最も重要な奉仕とみなしている。これらの王妃たちは、パーリジャータをはじめとする天上の贅沢を享受してきた。それらは、本来はインドラ神(天界の主)の妻サチデーヴィーだけが享受できるものであり、インドラ神は他のすべての天人たちを戦いで打ち負かしてそれらを手に入れた。至高主の蓮の御足に仕えることこそ、これらの享受を得る唯一の理由なのだ!
主クリシュナの武器を守っているヤーダヴァの英雄たちは、どこにでも幸せに、恐れなく行くことができる。ヤーダヴァの一般人は、ドワーラカの王宮スダルマで、自由に、恐れなく歩いている。その王宮スダルマは、インドラ(天界の主)や世界の他の保護者といった天人にのみふさわしいもので、敵から強奪したものである。 シュリー・クリシュナはそのようなヤドゥー族に化身された。
私の親愛なる弟よ、私は何か尋ね忘れていた。あなたは元気なのか?なぜ顔色も悪く、つやもないのか? ドワーラカでの滞在期間が長すぎたせいで、名誉を受けるどころか、屈辱を与えられたのではいか? 誰かが不敬な言葉を吐いて、あなたの気持ちを傷つけたのか? 万物の守護者であるあなたが、ヴェーダのバラモン、牛、少年、老人、病人、女性、ほかの生類にも、守護の手を差し伸べることができなかったのか?
私はそなたが同棲が禁じられている女性と結婚していないことを願っている。そなたが立派な女性に向かって無礼な行動をしていないことを願っている。権力が同等かそれ以下の者から屈辱を受けたのか?食べ物が不足している老人や幼い子どもたちを無視して、独りですべて食べ尽くしてしまったのではないか?他に何か禁止された行為をしてしまったのか?
それとも、そなたの親愛なる友人であり親戚であるシュリー・クリシュナが側にいないから、深く悲しんでいるのか?親愛なる弟よ、何か言いなさい。話してみなさい」
ナーラーヤナ・ダッタ・ナーラーヤナ
これで第一巻、第十四章を終わります。

