シュリーマド・バーガヴァタム 第64話
更新日 : 2018.9.19
カテゴリー : シュリーマド・バーガヴァタム
パリクシットは、この思いがけない訪問者をうやうやしく歓迎し、「彼」に敬意を示し、お辞儀をしました。すぐに聖仙シュカに同行していた女性と子供たちは帰って行きました。
このように賢者全員が敬意を抱き歓迎した聖仙シュカは楽な姿勢で座りました。至高の聖者たちの間でさえも最上級であった聖仙シュカは、梵仙(ブラフマリシ)、聖仙(マハリシ)、天仙(デーヴァリシ)に囲まれて座っていました。彼ら賢者らと共に座る姿は、星や銀河などの惑星に囲まれた月のように輝いていました。
完全に雑念を断ち切った最高帰依者パリクシットは、聖者シュカの傍に寄り、彼の前で再度、敬意を持ってお辞儀をしました。彼の目の前に立ち、合掌し、非常に朗らかな声でパリクシットは言いました。「至高の聖者よ!驚きました!価値のないクシャトリヤである私たちが、あなたのような高貴で身分の高いお方に奉仕する機会に恵まれました。慈悲の心から、あなたは訪問者としてここに到着し、この神聖な機会によって私たちに恩恵がもたらされました。
ただあなたのことを思うだけで、私たちの居住地は巡礼の聖地に変化します。私たちは純粋な存在に変身します。あなたに会い、あなたに触れ、あなたの御足を参拝する機会を授かることによって到達する清浄さ以上に何が必要でしょうか。
マハーヨーギ(偉大なる自己探求者)様!マハーヴィシュヌ(偉大なる主ヴィシュヌの化身)がおられるだけで悪魔が破滅させられたのと同じように、普通の人間はただあなたと交流するだけで罪が赦されます。これは全くの真実です。
主シュリ・クリシュナは、パーンダヴァの人々に極めて親切です。主はおそらく、主の従兄弟でもあったパーンダヴァの血筋に生まれた私に対する思いやりの気持ちから、愛情を持っておられたのでしょう。それゆえ、主は私を親戚とみなしているかもしれません。そうでなければ、私のような者がダルシャン(偉人や聖者との謁見)に恵まれる理由はあるでしょうか。
あなたのような良識のあるヨーギは、常に森の中を彷徨っています。あなたがいつどこにおられるかは誰にもわかりません。シュリ・クリシュナの慈悲深いご加護がなければ、まもなく死ぬ運命にある私が、あなたにお目にかかれるという神聖な機会に恵まれたでしょうか。
私は、すべてのヨーギの中で最も優れたあなたに一つお尋ねしたいことがございます。それは、『まもなく死ぬ運命の人が、自身のためにできる行為はありますか?何を聴くべきですか?どのマントラ(真言)を唱えるべきですか?何を思い出すべきですか?誰に奉仕すべきですか?義務はありますか?何をあきらめるべきですか?』ということです。私に詳細に説明してください。至高の主の化身よ!偉大なる聖者よ!牛から搾乳するくらいの短時間ですら、あなたは家の中にとどまりません。ですので、私はあなたのこちらへの訪問を最高の財産とみなしています」
マハトマは通常、長くはとどまりません。アヴァドゥータ(エゴや二元性を超越した聖者)のひとりであったシュカ・ブラフマーは、牛の搾乳が終わる程度の短い時間でさえも滞在することはなかったのです。
聖仙シュカの前に立っていた皇帝パリクシットは、このように優しく主に質問しました。これを聞いて、正義の知識の指導者であった由緒正しき聖仙シュカは答えました。
これによりシュリーマド・バーガヴァタムの第一編が完結しました。
ナーラーヤナ!ナーラーヤナ!