シュリーマド・バーガヴァタム 第172話
更新日 : 2022.8.14
カテゴリー : シュリーマド・バーガヴァタム
炎はプラーナーヤーマで燃え盛りました。三界は、この強い炎のために恐れおののきました。三位一体の神は、この状況をご覧になって、この聖者を祝福することを決められると、御三方が同時に彼の前に現れました。
三位一体の神が出現し、聖者の心は、明るく光り輝いて、至福を味わいました。彼の心からは、叡智があふれ出てきました。彼は、瞑想から意識を取り戻しました。一本足で立っていた彼が目を覚ますと、目の前には三神がいました。
彼は、それぞれ、白鳥、ガルダ、ヴルシャバ(雄牛)に乗った、ブラフマー、ヴィシュヌ、マヘシュワラを目にしました。三神は、それぞれの手にカマンダル(水瓶)、円盤、三叉の矛を持って、見事に美しく輝いていました。神々の目は慈愛に満ち満ちていました。御顔は、魅力的な笑みで輝いていました。
アトリ・マハルシは、主が喜んでいるのを理解すると、この上なく嬉しくなりました。直ちに彼は、地面にひれ伏して、敬意のお辞儀を捧げました。彼はたくさんの花を捧げて、主を崇めました。主の力強い光に耐え切れず、彼は目を閉じました。手のひらを合わせ、心を主に固く結び付けました。それから、ヴェーダを詠唱して主を称賛しました。そして、祈りました、
“Viśvodbhava-sthiti-layeṣu vibhajyamānair māyā-guṇair anuyugaṁ vigṛhīta-dehāḥ
Te brahma-viṣṇu-giriśāḥ praṇato ’smy ahaṁ vas tebhyaḥ ka eva bhavatāṁ ma ihopahūtaḥ
「どの時代(カルパ)においても、至高の主は、マーヤーの力をお使いになって、創造全体を動かされます。行動の性質(ラジャス)を引き受けられて、主はこの宇宙を創造されるためにブラフマーとして顕現されます。純質(サットヴァ)の性質を引き受けられて、主はヴィシュヌとして顕現されて、この宇宙を維持します。そして、無知の性質(タマス)を引き受けられて、主はルドラとして顕現されて、宇宙を吸収し御自身の内に戻されます。私は、至高の主の顕現であられる、あなた方御三方に敬意を捧げます。私は、たった一つの御姿を瞑想してきました。しかし、あなた方三神が私の前に現れました。ですから、どうか、私は一体どなたを瞑想したのか、お教えください。
私は、徳の高い子どもを求めて、一者であられる至高の主に心を固く結び付けて、瞑想してきました。そして、様々な儀式を行って崇拝してきました。おお主よ、あなた方は、人知の届かぬところにおわす至高の神々であられます。私は一つの御姿を瞑想しましたのに、どうして、御三方が現れたのでしょうか?私は、このことに非常に驚いております。どうか、ご説明くださいませんでしょうか?」
三神は愉快に笑われて、美しい声で言いました、
Yathā kṛtas te saṅkalpo bhāvyaṁ tenaiva nānyathā
Sat-saṅkalpasya te Brahman yad vai dhyāyati te vayam
「おお偉大な聖者よ!あなたは、己が意図した通りにヨーガを完成しました。あなたが望んでいるものは、必ず実現します。私たちは、あなたがしっかりとした意図を持って瞑想してきた至高の主です。私たちの姿は三人ですが、実際には私たちは一者です。これは、疑いのない真実です。私たちの間に相違はありません。このため、あなたは一者である神を崇めましたが、私たちは三人の姿であなたの目の前に現れているのです。
おおマハルシよ!あなたは、私たちの顕現として誕生する三人の息子に恵まれるでしょう。彼らは、偉大なる名声を得て、あなたの栄光を高めてくれることでしょう。あなたに吉祥の祝福がありますように!」
このようにして、三神は、アトリ・マハルシに恩恵を授けられて、彼を祝福しました。この偉大なる聖者は、最高の献身の念を持って、御三方を崇めました。聖なる夫婦が主を称賛する中、三人の神々は消えていきました。
Somo ’bhūd brahmaṇo ’ṁśena datto viṣṇos tu yogavit
Durvāsāḥ śaṅkarasyāṁśo nibodhāṅgirasaḥ prajāḥ
その後、ブラフマーの顕現である月の神(チャンドラ)、ヴィシュヌの顕現であるダッタートレーヤ、ルドラの顕現であるドゥルヴァーサが、この聖なる夫婦のもとに誕生しました。
それでは、これから、主ブラフマーの心から生まれた三番目の息子であるアンギラス・マハルシの子孫についてお話ししましょう。
カルダマ・プラジャーパティとデーヴァフーティの娘のシュラッダーが、アンギラス・マハルシの妻でした。この夫婦には、シニーヴァーリー、クフー、ラーカー、アヌマティという四人の娘がいました。
シニーヴァーリーは、月が欠けていく二週間の十四日目(クリシュナ・チャトゥルダシー)を意味します。クフーは、新月(アマヴァスヤ)を意味します。ラーカーは満月(プールニマ)を意味します。アヌマティは、月が満ちていく二週間の十四日目(シュクラ・チャトゥルダシー)を意味します。この四人の娘は、重要なヴェーダの儀式に関する時期を象徴しています。
さらに、この夫婦には、ウタトヤとブリハスパティという二人の息子がいました。
アドクシャージャーヤ・ナマハ