シュリーマド・バーガヴァタム 第267話
更新日 : 2025.5.4
カテゴリー : シュリーマド・バーガヴァタム
ルシャバは続けました。「私はすべての神聖なエネルギーの化身である。あらゆる存在の原因であるプラクリティ(自然)を超越する。私は生命体に天界の快適さと解放を授ける主である。
このヴェーダのブラフミンの学者(ブラフマー・ヴェッタ)たちは、完全に私に献身している。しかし、彼らは私から何かを求めることは決してない。王国やその他の物質的な富を気にしない。
愛する息子よ!私はすべての生物と無生物の中に存在する。すべてに遍在する。それゆえ、この宇宙のあらゆる対象の中に私の存在をずっと認識できるよう、賢明で知性ある者となりなさい。このようにして、私に礼拝(プージャー)を捧げなさい。
心、言葉、視覚といったすべての感覚活動の真の目的は、私を礼拝することである。これに従わない者は、無知という恐ろしい縄から逃れることができず、物質的な束縛に陥るのだ。」このようにルシャバ・デーヴァは息子たちに教えました。
ルシャバの息子たちは、正義の規律を完璧に教え込まれていました。当時から、ルシャバ・デーヴァは社会全体が恩恵を受けることを願って、息子たちに正義の規律を教えました。
その後、想像を絶するほど崇高な行いを成し遂げたルシャバ・デーヴァは、一切の行為を放棄しました。彼は、内なる至福に留まり、至高の信愛に溢れ、永遠に平安でいる至高のヨーギーたちに、サンニャーサ・アーシュラマの原理を教えることを始めました。
彼の長男バラタは、主への熱心な信奉者であり、他の信奉者たちに対しても至高の愛情を抱いていました。ルシャバはバラタに王国の責任を託して、王位に就かせました。その後、彼はバラタにアーハヴァニの火を灯して、宮殿内のあらゆる贅沢を放棄しました。ブラフマヴァルタの宮殿を去るとき、彼は裸でした。髪は乱れ、狂人のように見えました。
彼は聾唖で目も見えず、狂人のように、あらゆる場所をさまよいました。塵にまみれた彼の肉体は幽霊のようでした。彼はアヴァドゥータとなりました。沈黙の誓いを立て、話しかけられても返事をしませんでした。
地上を孤独にさまよい、村、町、都市、山、庭園、谷、平原、庵、休憩所、牛飼いの家、牛舎などを歩き回りました。旅の途中、邪悪な者たちが彼を脅しました。ある者は彼を殴り、ある者は尿をかけ、唾を吐きかけました。ある者は石、糞、便、塵を投げつけ、悪臭を放ちました。荒々しい言葉を浴びせました。しかし、野生の象が蚊を気にかけないように、ルシャバ・ヨーギーはこうした侮辱を気にかけませんでした。
彼は永遠に真我に立脚していました。五大元素から成るこの肉体に対して、「私」や「私のもの」という感情を抱くことは決してありませんでした。肉体のいかなる行為も、自分のものとは決して考えませんでした。そのため、他者の行為が彼の心を乱すことはありませんでした。
彼の長い腕、足、広い胸、広い肩、首、顔、そしてその他の器官は、極めて繊細でした。あらゆる点で均整のとれた美しい体格をしていました。顔は生まれ持った美しさで輝いていました。持ち前の魅力的な微笑みが、その輝きをさらに引き立てていました。赤みがかった瞳は、咲き誇ったばかりの蓮の花びらのようでした。眼差しは人々の苦しみを消し去るかのようでした。頬、耳、首、そして鼻は均整がとれていて美しく、笑い顔は人々を熱狂させました。優しい微笑みと愛らしい表情は、既婚女性の心を魅了しました。
どうして禁欲主義者が既婚女性に情欲を抱かせることができるのか、と疑問に思うかもしれません。ここで理解すべきことは、すべての女性が彼に対して情欲を抱いたわけではないということです。彼はシュリハリの化身であり、幻想(マーヤー)は彼の支配下にあるため、すでに情欲でいっぱいの女性だけが、彼を見て情欲を抱いたのです。
邪悪な者に、彼は邪悪に見えました。情欲深い者には、彼は魅力的に見えました。シュリハリへの信仰に浸っている者には、彼は神のように見えました。
これまでバーガヴァタムの中で、至高主の姿を何度も描写してきました。ここでは、主がアヴァドゥータとして化身した時の姿が、見事に称賛されています。私たちがこの描写を聞けることを幸運に思います。
彼の濃い巻き毛は乱れて、埃が積もって灰色になっていました。肉体に無関心だったため、汚れていました。この汚れた体で、彼はまるで幽霊に取り憑かれたかのようでした。
ルシャバ・デーヴァは人が自分の至高の境地を邪魔していると感じました。彼らから逃れるため、人に恐怖を抱かせる方法を思いつきました。そして、すぐにニシキヘビの行動をとりました。ニシキヘビのように、同じ場所にじっと横たわり、動かずにいるのです。彼は立ち上がることも、座ることも、動くこともしません。まるで丸太のように、その場所にじっと立っていました。目の前に現れる食物を食べ、食事をしたり、水を飲んだりするときでさえ、起き上がることはありませんでした。そこで便や尿を排泄しました。それにまみれて体は汚れてしまいました。
ルシャバは至高のヨーギーでした。そのため、体に付着した便でさえ甘い香りがしました。体に触れた風がその香りを運んで、約10ヨージャナ(約13キロ)の距離までその甘い香水の香りがしました。
ルシャバはその後、牛、カラス、鹿のような行動をとりました。そのように歩いたり、時には彫像のように立ち、時には横たわり、時には食事をして、時には排尿と排便をしました。
トリヴィックラマーヤ・ナマハ
第268話に続く