シュリーマド・バーガヴァタム 第408話
更新日 : 2025.8.15
カテゴリー : シュリーマド・バーガヴァタム
それは奇妙な姿でした。ヒランニャカシプが驚嘆して見守っていると、至高主シュリハリがナラシムハとして彼の前に顕現しました!ヒランニャカシプはなんと幸運なことだったのでしょう!
顔はライオンのようで、脚は人間のようでした。ナラシムハの目は、精錬された金のように輝き、獰猛な目は火を吐いていました!長く鋭い歯で恐ろしげな口元と首は、光り輝くたてがみで覆われていました。剃刀のように鋭い舌は、鋭い剣のように動きました。その容貌は残酷で恐ろしいものでした。耳はぴんと立っており、口は大きく開いていました。山の洞窟のような深い鼻孔は、人を惑わすほどでした。
その長い体はまるで天に触れるかのように見えました。首は頑丈で力強かったです。胸は広く、腰は細く、全身は月の冷気のような白い髪に覆われていました。まるで何百もの腕が辺り一面を覆うかのようでした。釘を武器とするこの主の姿はあまりにも恐ろしく、どんな勇敢な英雄でさえ近づくことを恐れました。円盤、法螺貝、そしてあらゆる武器を用いて、この強大な主はディティ族とダヌ族に属するすべての悪魔を殺し、追い散らしました。
これを見たヒランニャカシプは呟きました。
「シュリハリは至高の魔術師だ。もしかしたら私を殺すためにこの計画を企んだのかもしれない。恩恵を求める時、私は奇妙な人間動物の手にかかって死なないようにと祈ったことは一度もない。だから、この姿をとって現れたのは狡猾なシュリハリなのかもしれない。いずれにせよ、彼が最大限の能力を駆使しても私を殺すことはできない。なぜ恐れなければならないのか?彼の綿密な計画は何の役に立つというのか?」
こう考えたヒランニャカシプは棍棒を手に取り、主に襲いかかりました。小さな虫が火の中に飛び込むと姿が見えなくなるように、主に襲いかかった強大な悪魔ヒランニャカシプも、主の輝きの中では姿が見えなくなりました。主から発せられた光線は、それほどまでに強大だったのです!
ヒランニャカシプが、永遠に絶対的な善(サットヴァ)の特質を体現する主の前で姿を消したとしても、驚くべきことではありません。そもそもこの主は、創造の初めに、その輝きだけで、破壊の過程で生じた闇を消し去ったのです!
激怒した悪魔は、棍棒で激しく主を殴りつけました。しかし、至高主ナラシムハは、棍棒で攻撃してきたヒランニャカシプを、まるで乗り物である鷲ガルダが大蛇を捕らえるように、軽快かつ遊び心たっぷりに、巧みに捕らえました。
蛇が鷲の掌握から逃れようともがくように、ヒランニャカシプもまた主につかまれて逃れようとしました。ヒランニャカシプに地位を奪われていたすべての神々は、今や雲の陰に隠れ、この戦いを熱心に見守っていました。ヒランニャカシプがナラシムハの手から逃れると、神々は不安に駆られました。
ここでは、神々が主を完全に信じておらず、ヒランニャカシプを殺す力に疑問を抱いていたことが窺えます。ヒランニャカシプの死を待ち望むあまり、彼らはヒランニャカシプが幻術を用いて主につかまれていても逃れるのではないかと心配していました。彼らは、ヒランニャカシプが彼らを苦しめ続けることを恐れていました。
「強大な悪魔ヒランニャカシプは、長期にわたる戦いの後でも決して疲れを感じなかった。そのため、神々はナラシムハが彼の力に抗えないのではないかと恐れていた。その間にも、ヒランニャカシプは咆哮を上げ、剣と盾を手に取り、再び狂ったように主へと突進した。剣と盾を狂乱のように素早く回転させ、彼は主を攻撃するために突進した。彼は主を攻撃しようと、あらゆる場所を駆け回っていた。ナラシムハ神は迫り来る悪魔を見て、高らかに笑った。
ヒランニャカシプのこの行動は、まるで一人の人間が何千人ものカンフー武術家の役を演じているかのようでした。
「神の高らかに笑う声に、ヒランニャカシプの目は一瞬閉じられた。この瞬間、稲妻の速さで動く神は、悪魔をしっかりと捕らえた。インドラ神の雷撃ですら傷つけることができなかった強大なヒランニャカシプは、今や完全に神の掌中にあった。」
雷撃の威力は、何千もの惑星を衝突させるほどです。ヒランニャカシプはあまりにも強大であったため、この雷撃ですら彼には効力を及ぼしませんでした。悪魔は今や神の掌中にありました。
ナーラシムハーヤ・ナマハ
第409話へ続く