シュリーマド・バーガヴァタム 第413話
更新日 : 2025.8.17
カテゴリー : シュリーマド・バーガヴァタム
小さなプラフラーダは祈り続けました。
「おお、主ナラシムハよ!悪魔が殺された今、どうか怒りを取り消してください。サソリ、ヘビ、その他の毒のある生き物が殺されるとき、非暴力(アヒムサー)の原則を厳格に守る聖者でさえも喜びます。」
一般的に聖者は非暴力の原則を厳格に守ります。彼らは動物、人間、あるいはあらゆる生類に対する暴力を非難します。しかし、社会の中で他者を苦しめ、容赦なく殺している暴力的な動物や人間を殺すことは容認されるとなっています。例えば、毒ヘビやサソリは、何の理由もなく人を刺します。したがって、それらを殺すことは容認されます。一般市民に大きな被害をもたらす野生動物を狩猟して殺すことは容認されます。トラが人食いトラになったら、殺さなければなりません。しかし、罪のない動物は決して殺されるべきではありません。
主が容赦なく父を殺しているとき、なぜプラフラーダは黙っていたのか、不思議に思うかもしれません。プラフラーダは父が多くの罪のない聖者たちを拷問していることを知っていたのです。だからこそ、彼はそれを受け入れたのです。
「rūpaṁ nṛsiṁha vibhayāya janāḥ smaranti ― 人々は恐怖を払いのけるために、あなたのこの吉祥なる姿を思い起こすでしょう。」
主ナラシムハを永遠に思い起こすことで、内なる恐怖は払いのけられます。毒蛇でさえ、そのような人々を傷つけることはできません。
「おお、常に勝利する主よ!決して敗北を味わわぬ主よ!獰猛な舌と口、輝く太陽にも比肩する大きな瞳、激しい怒りに歪んだ眉、そして燃えるように鋭い歯を持つあなたの御顔は、恐ろしく輝いています。
おお、至高なる主よ!あなたは常に美しく、見る者を魅了します。あなたの御容姿は常に喜ばしく穏やかです。あなたの御顔は蓮のように美しいです。それなのに、なぜ皆に恐怖を抱かせるこの恐ろしい御顔を保っておられるのですか?
巨大な火の玉のようなあなたの瞳、巨大な惑星のように空洞のあなたの口、燃えるように血に染まったあなたのたてがみ、まるで花輪のように首に巻かれた腸の冠、力強い象の群れを震え上がらせる激しい咆哮、敵を倒す長く広く鋭い耳、そして血に染まった長い爪。これらは私に恐怖を与えません。たとえあなたの御容姿が恐ろしく見えても、私は恐れません。」
おお主よ、あなたは慈悲の象徴です。虐げられた人々への溢れるほどの愛に満ちておられます。過去の悪業のせいで、私は残酷な心を持ち、容赦なく他者を拷問し殺す悪魔たちの中に生まれました。
多くの肉食動物は、獲物を殺す前に拷問します。獲物を捕らえ、少し傷つけた後、掴んでいた手を緩めます。獲物が苦痛にもがき、逃げようともがく隙に、再び前足で傷つけます。こうして、彼らは獲物の前で長い間戯れ続けるのです。ヒランニャカシプとその悪魔の一族の残虐行為の前では、これらの肉食動物の行いは取るに足らないものに見えます。
「私はこれらの恐ろしい悪魔たちと共に生まれましたが、彼らを恐れません。私が恐れるのは、果てしなく回転し続けている、この繰り返される輪廻転生だけです。」
ジャナールダナーヤ・ナマハ
第414話へ続く