シュリーマド・バーガヴァタム 第417話
更新日 : 2025.8.18
カテゴリー : シュリーマド・バーガヴァタム
ヴァーマナーヤ・ナマハ
プラフラーダは続けました。
「始まりのない霊的無知(アヴィディヤ)と呼ばれるベールは、サムサーラと呼ばれる車輪を創造します。輪は16のスポーク、すなわち五つの知覚器官、五つの行動器官、五つの生命エネルギー、そして心から成ります。主に心から成るこの体は、精妙な存在です。
過去の行為の印象の形をとるこの微細な体は、至高主の意志によって、幻想のエネルギーが時間によって揺さぶられたときに創造されます。」
幻想のエネルギーは、根本原質の三つの特質から成ります。これらの特質の乱れが、精妙体の出現につながります。
欲望に満ち、ヴェーダに記された果報的な行為を行うことでこれらの欲望を満たすと信じるこの心を征服することは、ほとんど不可能です。自分をあなたと異なると考えるそのような人は、輪廻の輪という形で存在するこの精妙体を越えることは決してできません。 主よ、あなたは意識のエネルギーであり、知性の中に永遠に存在しておられますが、喜びや悲しみ、執着、そしてその他の知性(ブッディ)の性質は、あなたに触れることはできません。
時間の権化であるあなたは、この宇宙全体の原因と結果をあなたの支配下にお持ちです。私は、始まりのない霊的無知によって生じた、16本のスポークからなる輪廻の輪に押しつぶされようとしています。どうか、あなたに完全に全託した私を受け入れてください。どうか、あなたの近くに連れて行ってください。
主よ、私は、天界に住まう守護神たちの長寿、豊かさ、そして力を認識しています。父が怒りのあまり激しく笑うと、守護神たちの力と富は失われました。主よ、あなたは、守護神たちの力と富を掌握し、全てを支配するほどの力を持っていた父を愉快に殺されました。至高の主よ、私はあなたとのみ交わりたいと願っています。
私は、この創造物における永遠と無常の物の識別知識を持ち、世俗的な安楽、長寿、権力、富裕、精神的な達成、そして感覚的な快楽といった、全て無常なものを完全に拒絶します。なぜなら、時間の化身であるあなたは、最終的に全てを破壊するからです。
主よ、どうか私をあなたの最愛の信奉者たちの中に置いてください。喜びも悲しみも存在しない至高の境地に到達したいからです。感覚的な快楽という蜃気楼は、耳に心地よく響きます。人間にとってこれほど愛すべきこの粗野な肉体は、あらゆる病の源です。人間はそれらの取るに足らないものを認識しながらも、それでもなおそれらを欲しています。小さな蜂蜜の雫にも匹敵する些細な感覚的安楽を得るために、計り知れない苦痛を味わい、それを用いて欲望という炎を一時的に鎮めています。この過程で、その人は人生の真の本質を理解していません!
彼は一時的に情欲やその他の欲望という炎を消しています。彼の努力は、これらの欲望を永久に鎮めることは決してできません。単にこれらの欲望を満たしているだけで、決して無執着へと向かってはいません。なぜ考えないのでしょうか。「私は無常であり、この無駄な欲望もまた無常だ。なぜ私は何かを望むのか?」その人はあらゆる段階で解放を求めていますが、なぜ自分の誤りに気づかないのでしょうか?
「主よ、激質(ラジャス)の特質に満ちた私は、主に無知(タマス)の特質を持つこれらの悪魔たちの間に生まれました。取るに足らない生命体である私が、あなたの尽きることのない至高の慈悲の前に、どのような立場に立つことができましょうか。それにもかかわらず、主よ、あなたは蓮華の手を私の頭に置いてくださいました。あなたは、ブラフマー神、ルドラ神、そしてラクシュミー女神にも与えられなかった至高の幸運を私に授けてくださいました。
無知な人間だけが違いを認識し、ある人を優劣と見なします。彼らは富める者と貧しい者、高貴な者と凡人を区別します。あなたはこの創造物にとっての真我です。主よ、あなたはこの創造物におけるすべての者の幸福を願う方であり、いかなる差別意識も抱いておられません。あなたはすべての人を守り、それぞれの人にふさわしい方法で知識を授けてくださいます。しかし、過去の行為の精妙な印象(カルマ・ヴァーサナ)が、そのような知識をつかむことを妨げています。
あなたは適した方法で、彼らの理解できる言葉で教えられますが、それでも彼らは知識を習得することができません。私たちは、あなたが注ぎ込んでくださる知識を習得できない不幸な存在です。私たちの非です。
アッチュターヤ・ナマハ
第418話へ続く