シュリーマド・バーガヴァタム 第127話
更新日 : 2019.12.1
カテゴリー : シュリーマド・バーガヴァタム
ブラフマーはデーヴァタたちに話を続けました。
Evaṁ tadaiva bhagavān aravinda-nābhaḥ
Svānāṁ vibudhya sad-atikramam ārya-hṛdyaḥ
Tasmin yayau paramahaṁsa-mahā-munīnām
Anveṣaṇīya-caraṇau calayan saha-śrīḥ
パドマナーバとして知られる主は、従者たちの犯した過ちについて知りました。その時まさに偉大な聖人の心の中に住むこの至高の主が女神ラクシュミーと一緒に入り口に歩いてきました。自己知識の権化であるパラマハムサと聖者たちは瞑想中に、この主の蓮華の御足を探し求めます。そのような蓮華の御足で彼が入り口まで歩いてきました!
至高の主の後には、礼拝に使われる物品を抱えていた従者がついていました。彼は入り口に到着し、自身の姿をサナカと他の聖仙の眼にも見えるようにしました。聖人たちには、まるでヨーガの最終状態であるサマーディ・ヨーガが姿かたちを表し、彼らの眼前に立っているように感じました!
気高い白鳥のように美しいヴィンジャーマラの扇子を手に主の従者たちが彼を穏やかに扇いでいました。主の頭上には、満月のように白く輝く傘がさされていました。ビンジャーマラの扇子からの縁起の良い風が傘に触れたとき、その端を飾る真珠の糸がひらひらと動く様子が、まるで穏やかな月の光線からの蜜の滴が主に降り注いでいるかのようでした。
主シュリハリは、生類が追い求めるすべての高貴な特質の貯蔵庫です。彼の笑顔は、聖人たちだけではなく門番たちも祝福するためにそこに到着したことを示していました。シュリハリは彼らに愛情のこもった視線を振りまき、これを通して彼らの心に触れました。そうすると、彼らは主が自分の心の中に住んでいることを実感しました。
女神ラクシュミーは、深い青色の顔色をした主の広い胸を晴れやかな気持ちで見つめていました。あたかも主は女神ラクシュミーと共に、全ての天界における王冠の宝石であるヴァイクンタに愛らしさと輝きを加えているようでした。
彼のずっしりとした腰は黄金色のピータンバラの衣服で優美に覆われていました。金色の腰帯がこのピータンバラの服を飾り、その美しさを増していました。彼の首に飾られたヴァナマーの花輪を取り囲むミツバチは、流麗にハミングしていました。
素晴らしい腕輪が彼の手首を飾っていました。彼はヴィナタの息子ガルーダを片手に携えていました。もう一方の手には、遊戯的に蓮の花を持っていました。
マカラ・クンダラ(ワニの形をしたイヤリング)の輝きは、彼の耳を飾って光り輝き、頬の輝きを引き立てました。高い鼻の彼の顔は輝いていました。彼は宝石をちりばめた王冠を着ていました。首と四本の腕の中には、長い真珠の鎖がかかっていました。カウストゥバの宝石がその胸に輝いていました。
主の素晴らしさの前で、美と優雅さの縮図として自分を誇った女神ラクシュミーも敗北しその誇りが失われたのだと熱心な帰依者たちは信じています。このように、ルドラ、私(ブラフマー)、あなたがたのようなデーヴァタたちへの恩恵のために、そして礼拝の目的のために、彼は比類のない素晴らしい姿を現しました。
長いあいだ、彼の美しさを食い入るように見つめても、サナカと彼の兄弟たちは満足しませんでした。彼らは喜びに満たされお辞儀をし、彼の蓮華の御足に平伏しました。
蓮の眼を持つ主の御足も蓮のようでした。彼のつま先は蓮の花糸に似ていました。蓮華の御足の香りとトゥルシーの葉の香りを運んだ風は、鼻を通して聖人に入りました。彼らは完全に真我に没頭していたにもかかわらず、この香りは彼らの心を無限の至福で満たしました。そして鳥肌が立つのを経験しました。
聖人たちは頭を上げて、主の美しい下唇と、花の咲くジャスミンに似た彼の魅力的な笑顔をゆっくりと見上げました。その後、視線を上方に移動し、彼の美しい顔が青い蓮のように輝いているのを観察しました。彼らは完全に満足しました。彼らは今、視線を主の足元に戻しました。そしてサファイアとルビーのように輝く蓮華の御足と爪を観察しました。
彼らは今、彼らの眼前にいる至高の主ナーラヤナについて熟考しました。シュリハリは、聖人たちの前の素晴らしい姿で現れました。それは、解脱を得ることを望んでいる人々が心の中に抱き、熟考するような素晴らしい姿でした。
彼らは彼に会いたいという深い願望を抱いてやって来ていました。彼らは彼の装飾品を観察することを望んだのではなく、ただ彼を観ることを望んだのです。それゆえ、彼はダルシャンにより彼らを盛大に祝福しました。彼は、自らを、終わりのない苦行の後でさえも眼に見えないようにしているのですが、彼の熱心な帰依者である偉大な聖人たちに自らを見えるようにしました。
表向きは、彼が門番らによる聖人らに対する侮辱を知り、そこに駆けつけたように思われますが、本当は彼がダルシャン(謁見)で彼らを祝福するために来たということでした。他の方法では簡単に入手できないアニマなどの八つの超自然的な力は、本質的に彼に存在します!
聖人たちは、自分自身を眼に見えるようにした至高の主を賛美しました。彼らは言いました。
「おおアナンタよ! あなたはあらゆるものの心の中に鎮座していますが、あなたは邪悪な人たちに自分自身を見せません。今日、あなたのご厚意により我々の眼にも見えています。
あなたから生まれた私たちの父ブラフマーは、あなたの姿が含む秘密について私たちに詳しく説明してくれました。 その瞬間、あなたは私たちの耳の穴から心の中に入り込みました。それ以降、主よ、あなたは私たちの知性にしっかりと固定されています。今日、あなたは私たちにその姿を見せてくださいました。それは善良さと純粋さの特質(サットヴァ・グナ)からなり、私たちに大きな喜びをもたらしています」