言葉と教え

シュリーマド・バーガヴァタム 第169話

カテゴリー :

「何と驚くべきことでしょう!(部族の狩人であっても、一度でもあなたの御名を唱えたり、あなたを思った)彼は、無数の禁欲行為を行い、数えきれないほどのヴェーダの儀式を行い、あるいは、数多くの聖なる川で沐浴する人と同じなのです。彼は、ソーマヤージと同じくらいに尊敬に値する人になるのです。これがあなたの御名の偉大さです!このことから、幸運にもあなたのダルシャンを得た人が、人間に生まれた目的を達成するということをあえて宣言する必要がありましょうか?

Taṁ tvām ahaṁ brahma paraṁ pumāṁsaṁ
Pratyak-srotasy ātmani saṁvibhāvyam
Sva-tejasā dhvasta-guṇa-pravāhaṁ
Vande viṣṇuṁ kapilaṁ veda-garbham

私は、パラブラフマー、または、プルショッタマである主シュリ・マハーヴィシュヌの化身、カピラ・バガヴァンに敬意を捧げます。主は、知性を欲望の対象から引き離して、その代わりに、主を瞑想する人たちに御身の御姿を見えるようにしてくださいます。主は、絶え間ないトリグナの流れとして存在している、この世の束縛(サンサーラ)を断ち切ってくださいます。彼は、全てのヴェーダの主であられるのです!」と、彼女は祈りました。

これは、非常に重要な主カピラの賛歌です。毎日唱えると良いことがあります。これは、聖なるマントラです。

カピラは、母親が捧げた祈りの言葉を愛情深く聞かれました。彼の目には慈愛が満ち溢れており、そして、厳粛な声で言いました、「おお母よ!私が伝えた道は、非常に簡単に歩むことができます。この道に従うことで、あなたは、すぐにでも解脱という究極の目的地に到達することができます。

解脱を望む人は、この私の教えを愛します。これは、生と死のサイクルを完全に滅ぼしてくれます。どうか、いつも私があなたに伝えた教えを心から信じて献身してください。そうすれば、あなたは、私に到達することができるでしょう。この叡智を持たない人は、この世の束縛の罠に捕まって、死を恐れるでしょう」

このように、カピラ・マハルシは、母親に真我の叡智を伝えられました。この話を聞くと、カピラの母親は、ブラフマーの叡智を得たのでした。

カピラ・バガヴァンは、母親の許しを求め、御自身のやるべきことを終えると、立ち去っていきました。デーヴァフーティは、息子から教えてもらったヨーガの修業法に従って、サラスワティー川のほとりにある美しく装飾されたアシュラムで深い瞑想(サーマディ)に入りました。

彼女は、木の皮で出来た服を身につけるようになりました。非常に熱心に一日に三回、沐浴を行ったため、彼女の美しく長い巻き毛の編み込みは、次第に色が抜けていきました。彼女は、苦行に専心していたため、異常なほどにやせ衰えていきました。

カルダマ・プラジャーパティの苦行と超越的な力のため、彼女の家は非常に高貴な状態にありました。この二人は無類の夫婦でした。天使や神々でさえも、このような聖なる夫婦生活を欲しがります。

彼女の家の中には、牛乳の泡のように白いベッドとベッドカバーがありました。椅子やテーブル等の全ての家具は、象牙や金で出来ていて、汚れ一つありませんでした。椅子には、繊細で柔らかな毛布が掛けられていました。そして、柔らかな枕が並べられていました。家の壁は、非常に美しい大理石で出来ていて、宝石が装飾されていました。

季節の花々が咲き誇って、家に隣接する広大な見晴らしの庭を美しく飾っていました。天上界に属するたくさんの吉祥な植物、チューチューとさえずる鳥の夫婦、ハミングするミツバチに囲まれて、この庭は明るく輝いていました。この庭の中にある湖は、美しい蓮の花の香りに満ち満ちていました。

カルダマ・プラジャーパティが、湖に入って彼女に優しく甘い言葉をかける時には、ガンダルヴァが、この聖なる夫婦の栄光を賛美して歌ったものでした。インドラの妻でさえも、このような幸運を得たいと願いました。

今や、デーヴァフーティは、この邸宅とそこにある調度品に対する執着心から自由になっていました。しかし、彼女の心は、息子との別離のために深く悲しんでいました。夫であるカルダマ・マハルシは、すでにサンニャーサ(放棄)の生活を始めていて、家を出ていました。そして、今、息子もこの家を出て行ったのです。

真我を覚ったものの、彼女は、息子を失って深く悲しんでいました。子牛と別れて悲しむ母牛のように、デーヴァフーティは、息子を失った悲しみのために眠ることもできなくなってしまいました。彼女の顔は、しょんぼりしていました。

ヴィドゥラよ、デーヴァフーティは、至高の主の化身である息子のカピラのみを思って瞑想しました。彼女の心は、主に集中していたため、家に対する愛着心は完全に消え去っていました。彼女は、息子が説明してくれたように、主の朗らかで魅力的な顔に心を固定しました。そして、息子が明示したように、細部に至るまで主の御姿に集中して、瞑想しました。

彼女は、強い離欲の思いを持って、バクティ・ヨーガを実践しました。そして、様々なプージャやその他の吉祥な行為を行いました。この結果、次第に、彼女を悟りに達成させる完全なる叡智が発達し始めました。そして、彼女は、内なる心をこの上なく純化して、偏在する真我の本質を瞑想しました。

アニルッダーヤ・ナマハ

続く

PAGE TOP