シュリーマド・バーガヴァタム 第317話
更新日 : 2025.6.23
カテゴリー : シュリーマド・バーガヴァタム
マハルシ・シュカは続けました。
「年老いたアジャーミラには10人の息子がいました。その末っ子はナーラーヤナと名付けられました。息子に主の御名を残したことは、彼にとって幸運でした。」
彼が愚かな名前を選ぶ代わりに主の御名を選んだことは、まさに幸運でした。
「アジャーミラはこの末っ子に深い愛情を抱いていました。彼は子どもたちの遊びを見たり、おしゃべりを聞いたりすることに大きな喜びを感じていました。彼の心は、この最愛の息子への愛着で完全に縛られていました。」
罪人というのは世俗的なものに非常に強い執着を持っていることがわかりますか?彼らの執着は不健全です。彼らは神について考えることができないほど執着し強く縛りつけられます。彼らは子どもや孫などに非常に執着し、遊びに明け暮れます。死の床にあっても、彼らはこれらの執着にしがみつきます。アジャーミラはナーラーヤナ神を愛していませんでしたが、息子のナーラーヤナを愛していました。
アジャーミラは食事のたびにこの子にミルクを与えました。水を飲む時は、息子を呼び寄せて水を飲ませました。どんな時でも、どんな活動の時でも、この幼い息子ナーラーヤナがそばにいるようにしました。それほどまでに、彼はこの子を愛していたのです!
息子への激しい恋心ゆえに、アジャーミラは時が急速に過ぎ去り、死がすぐそこまで迫っていることに気づきませんでした。彼は死の力を軽視していました。どんな手段を使っても死を遅らせることはできない、というのが真実ですよね?
死はアジャーミラをさらうためにやって来ました。この瞬間、アジャーミラの心は最愛の息子ナーラーヤナに釘付けでした。彼は、自分を連れ去るためにやって来た、恐ろしい顔をしたヤマ(死の神)の三人の従者たちの姿を見ました。地面に届きそうなほど長い歯を持つ彼らの恐ろしさに、アジャーミラは身震いしました。彼らの手に握られた絞首縄を見て、彼はパニックに陥りました。そして震え上がりました。彼は緊張のあまり、ベッドに放尿しました。歪んだ顔、長い髪、突き出た目、そして歪んだ体で、彼らは彼に近づいてきました。
これらの従者たちが近づいてくるのを見て、恐怖に震えていたアジャーミラは、息子のナーラーヤナが遊びに夢中になっているのを見て、息子に話しかけ、「ナーラーヤナ、ナーラーヤナ、ナーラーヤナ」と大声で叫びました。彼は息子に会うことを切望していました。
Niśamya mriyamāṇasya bhruvato hari-kīrtanam
Bhartur nāma mahārāja pārṣadāḥ sahasāpatan
おお皇帝よ!アジャーミラはまさに死の瞬間に主の御名を唱えました!ナーラーヤナの御名を聞いて、ヴィシュヌの従者たちは彼が主を呼んでいると思い込み、すぐに駆けつけました。
この話を聞いて、多くの人は、生涯罪深い行いを続けて、死の瞬間に「ナーラーヤナ」や「クリシュナ」と唱えれば功徳を積むのに十分だと主張します。しかし、主の御名はまさに最後の瞬間に思い起こされるべきではないでしょうか。彼らはこのことを考えたことがあるでしょうか。
ヤマの従者たちはアジャーミラの精妙体に絞首縄をかけ、心臓から引き抜こうとしていたところ、ヴィシュヌの従者たちがやって来て激しく彼らを止めました。
作業を邪魔していたヴィシュヌの従者たちに、ヤマの従者たちは尋ねました。「お前たちは何者だ? ヤマ神の命令に疑問を呈する大胆さを誰がお前たちに与えた? ヤマ神の偉大さを理解しているのか? お前たちの主人は誰なのか? お前たちはどこから来たのか? 我々の絞首縄の力をわかっているのか?なぜ道を塞いで我々の仕事を妨害しようとするのか?お前たちは神なのか? それとも、何らかの悟りを開いた存在なのか?なぜ冠と耳輪で体を飾っているのか?なぜお前たちの目は蓮の花びらのように見えるのか?」
ゴーヴィンダーヤ・ナマハ
ナーラーヤナーヤ・ナマハ
第318話へ続く