シュリーマド・バーガヴァタム 第328話
更新日 : 2025.6.25
カテゴリー : シュリーマド・バーガヴァタム
月神はプラチェータたちに説き続けました。
“Tokānāṁ pitarau bandhū dṛśaḥ pakṣma striyāḥ patiḥ
Patiḥ prajānāṁ bhikṣūṇāṁ gṛhy ajñānāṁ budhaḥ suhṛt
両親は子どもの守護者であり、まぶたは目の守護者であり、夫は妻の守護者であり、家長は乞食の守護者であり、学者は無知な者の守護者であり、王は臣民の幸福をもたらす守護者です。
至高主はすべての存在の中に真我の姿で存在します。この宇宙全体が主の住処であることを理解してください。二元性と違いを手放してどうか、主が全宇宙に遍在する御方として見てください。そうすれば、主はあなたにこの上なくお喜びになるでしょう。
まるで怒りが天から偶然あなた方の体に飛び込んできたかのようです。あるいは、ハートの空間から現れたのかもしれません。正しい真我探求を通して怒りを鎮める人は、トリグナから成るこのサムサーラ(輪廻転生)を容易に越えることができるでしょう。
ですから、どうか怒りを鎮め、創造世界の木たちを破壊するのをやめてください。まだ残っている木々が吉祥となりますように!おお、プラチェータよ、この美しい聖なる娘は木々に育てられました。どうか彼女をあなたの妻として迎えてください。」
こうして、薬草の主である月神は、甘い言葉で彼らをなだめました。
彼は天上の女神(アプサラ)プラムローチャの娘、マーリーシャを彼らに嫁がせ、それから自分の住まいに戻りました。プラチェータは経典に定められた手順に従って、マーリーシャと結婚しました。彼女を通して、彼らはダクシャという名の息子をもうけました。プラチェータの息子として、彼はプラチェータの間で名声を得ました。このダクシャによって、この創造は大きく発展しました。
ダクシャ・プラジャーパティは、その子孫を三界に満たしました。彼は娘たちを深く愛していました。彼は心と輝きによって、生命体を創造しました。これから私が語る詳細をよく聞いてください。
ダクシャ・プラジャーパティは、まず心を通して、神々、悪魔、人間、そして宇宙、地、水を住処とするその他の生命体を創造しました。
その後、彼は創造が自分の計画通りに進んでいないと感じました。彼は自分の成果に満足せず、厳しい苦行を行うことを決意しました。そして、ヴィンディヤ山脈のある山に辿り着きました。
彼は、すべての罪を滅ぼすアガマルシャナ池で一日三回沐浴し、シュリハリ神を喜ばせるために厳しい苦行を行いました。彼は、五感を超えた至高の神を、ハムサ・グッヒャ・ストートラと呼ばれる力強い秘められた詠唱で礼拝して、それによって神を喜ばせました。これからその賛歌を解説します。どうぞ、よく聞いてください。ダクシャ・プラジャーパティは唱えました。
“Namaḥ parāyā-vitathānubhūtaye guṇa-trayābhāsa-nimitta-bandhave
Adṛṣṭa-dhāmne guṇa-tattva-buddhibhir nivṛtta-mānāya dadhe svayambhuve
比類なき啓明の至高主、自ら輝く至高主に敬意を表します。主は生命体と、根本原質の三つの属性(トリグナ)から成る幻想の力を支配しておられます。トリグナに囚われ、世界を実在と見なし、いかなる直接的な目に見える証拠によっても理解することのできない、霊的に無知な人々の手の届かないところにおられます。
この主は、すべての生命体の肉体の中に、真我として宿っています。都市のようなこの肉体において、主は束縛された魂の永遠の友として宿っています。主は全創造物の至高の証人です。しかし、束縛された魂は、証人として自らの内に宿るこの主を認識することができません。
耳やその他の感覚は、音やその他の感覚知覚を理解することができます。しかし、感覚知覚は感覚器官について理解することができません。同様に、束縛された魂は、自らの内に真我として宿る至高主を理解することができません。私はそのような至高主に敬意を表します。
束縛された魂、すなわち見る者(ドルシュタ)は、肉体、プラーナ(生命力)、感覚、思いの変化、五大元素(空間、風、火、水、土)、そして五つの精妙な元素(音、触覚、色、味、嗅覚)と呼ばれる集合体を超えています。彼はこれらの要素を見るだけでなく、トリグナから生じる喜びや悲しみなども経験します。しかしながら、これらすべてを認識するこの束縛された魂は、自身を超え、差異を超えた全知の至高主を認識することができません。時と場所の境界を越えて。そのような至高主に、私は敬意を表します。
心と感覚の活動が完全に停止した時のみ、名前と形に満たされていた心は、本来の形へと溶け込みます。その瞬間、束縛された魂は、本来非二元であるアートマ(真我)と共に安らぎます。これが、束縛された魂が内なる真我である主に到達する方法です。純粋で汚れのない心の中で、アートマ(真我)として光を放つ全知の主に、私は敬意を表します。
アヴィヤクタ(非顕現)、宇宙知性(マハト)、心、自我、そして五つの精妙な元素―これら9つの物質的要素は、至高主のトリグナ、すなわちエネルギーの産物です。これらの内、すなわちハートの中に、主は永遠の証人として密かに、そしてしっかりと宿っています。
ヴェーダの学者たちは、15のサーミデーニ・マントラを唱えることで、木の中に秘められた火を呼び覚まします。同様に、優れた精神制御能力を持つマハトマたちは、これら9つの物質的要素について賢明に内省します。そして、彼らは知性(ブッディ)を通して、至高主が自身の真我であることを悟ります。
Sa vai mamāśeṣa-viśeṣa-māyā- niṣedha-nirvāṇa-sukhānubhūtiḥ
Sa sarva-nāmā sa ca viśva-rūpaḥ prasīdatā maniruktātma-śaktiḥ
無数の名前と姿に満ちたこの幻想の世界が完全に消滅したとき、私の心に浮かぶ究極の至福は、まさに至高主そのものです!この宇宙の無数の名前と姿として顕現するのは、まさに至高主です。言葉では言い表せないほどの、無限の幻想のエネルギーを持つ至高主が、私とともに喜ばせれますように!
ゴーヴィンダーヤ・ナマハ
第329話へ続く