シュリーマド・バーガヴァタム 第389話
更新日 : 2025.7.24
カテゴリー : シュリーマド・バーガヴァタム
ヒランニャカシプは続けました。
「おお、無限の主(アナンタ)よ!感覚の知覚を超えたあなたの姿は、この世界全体に遍在しています。あなたは、知識と呼ばれる意識のエネルギー(チャイタニヤ・シャクティ)と、幻想と呼ばれる不活性のエネルギー(ジャダ・シャクティ)の主宰神です。おお、至高の主よ、私はあなたに敬意を表します。
おお、恵みを降り注ぐ者たちの中で最高の者よ!もしあなたが私に恵みを与えてくださるなら、あなたが創造したいかなる生類によっても、私が死に直面することのないよう祝福してください。朝も夜も、屋内でも屋外でも、地上でも空中でも、人間でも動物でも、いかなる武器でも、いかなる無生物によっても、私が死ぬことがないようにしてください。私は神々、悪魔、蛇(ナーガ)によって殺されることがないようにしてください。戦争で私と戦える敵は存在しないようにしてください。私は生類の唯一の皇帝となる必要があります。あなたの栄光は、すべてのものの内に存在します。守護神(ローカパーラカ)よ。どうか私にその栄光を与えください。聖者やシッダ・プルシャが苦行の力によって得る限りない超常的な力を、私に授けてください。」
なんと不思議な恩恵を彼は求めたのでしょう!死に至るあらゆる襲撃を、一切の可能性を残さずに、彼は網羅したのです!
これで第七巻の第三章は終わります。
第七巻 第四章
この章では、ヒランニャカシプの残虐行為とプラフラーダの高貴な性質が述べられています。
ナーラダ・マハルシは続けました。
「おお、ユディシュティラよ!そのような恩恵が与えられることは滅多にないにもかかわらず、悪魔の王の苦行に喜ばれたブラフマー神は、彼のあらゆる願いを叶えようと決意しました。
彼はヒランニャカシプに言いました。
「愛しい息子よ、お前が求めるこれらの恩恵は人間の力の及ばないものだ。それでも、私はお前にそれを授けよう。」こう言って、ブラフマー神はヒランニャカシプの礼拝を受け入れました。
至高主の恩寵は計り知れなません!ブラフマー神から降り注がれた祝福により、ヒランニャカシプの体は珍しい黄金の輝きを放ちました。彼は兄の凄惨な死を思い出して、シュリハリへの憎しみを募らせました。
ヒランニャカシプは神々の住処である天界を含む、あらゆる世界とあらゆる方角を征服しました。地上を支配する王たちだけでなく、神々、悪魔、ガンダルヴァ、ガルダ、ナーガ、シッダ、チャーラナ、ヴィディヤーダラ、祖先(ピトリ・デーヴァタ)、マハルシ、ヤクシャ、幽霊(ピシャーチャ)、そしてブータ・プレータといった他の世界の支配者たちも征服しました。このようにして、彼はあらゆる存在の次元において生類を統べるすべての王たちを、彼は支配下に置きました。
彼は今や全宇宙の唯一の支配者となりました。すべての生類が彼の支配下にあるため、彼を殺すことはもはや不可能でした。創造のどこにも彼には敵がいませんでした。彼はすべての守護神たちの地位と、彼らの秘められた力のすべてを奪いました。
ヒランニャカシプは天界に侵入して、天界の王となり、神々を無力にしてしまいました。彼は、有名な天界建築家ヴィシュヴァカルマによって建てられた、天界の原初の主であるインドラの壮麗な宮殿に住み始めました。インドラのこの宮殿には、三界すべてに関わる財宝が収められていました!
この宮殿の階段は珊瑚で、床は高価なエメラルドで、壁は水晶で、柱は貴重なキャッツアイ(ヴァイドゥリヤ)で作られていました。
スワミジの解説:このような詳細な描写があって初めて、私たちはその宮殿の美しさを理解できるのです。そうして初めて、宮殿は私たちにとって価値あるものとなるのです。
「宮殿は色とりどりの宝石やルビー、高価なソファやその他の椅子で飾られていました。ベッドはミルククリームのように白く繊細で、たくさんの白い真珠で飾られていました。乳白色の歯が美しく輝く天女たちが優雅な足取りで歩くと、足首飾りから美しい音が聞こえてきました。彼女たちは歩きながら、建物の床、柱、壁に映る自分の姿を愛でていました。」
ヒランニャカシプは非常に傲慢で自尊心の強い悪魔でした。彼はこれらの神々を地獄へ送り込もうと急いでいました。そのため、彼は神々に対して非常に残酷な仕打ちをするようになりました。」
マーダヴァーヤ・ナマハ
第390話へ続く