シュリーマド・バーガヴァタム 第410話
更新日 : 2025.8.15
カテゴリー : シュリーマド・バーガヴァタム
ナーラシムハーヤ・ナマハ
主ナラシムハの重さに耐えられず、母なる大地は苦悶しました。その速さに耐えられず、山々は遥か彼方へと吹き飛ばされました。神の神聖な輝きの前では、空間も方角も消えてしまいました。この勇敢で神聖な輝きに満ちた主に抵抗できる者は誰もいませんでした!
栄光に輝く主は、その集会場の高い位置にある王座に座っていました。その姿はあまりにも恐ろしく、皆の心は恐怖で満たされました。そのため、誰も主に仕えようとはしませんでした。
主ナラシムハが、三界の悩みの種となっていた強大な悪魔ヒランニャカシプを倒す様子を見ていた神々の妻たちは、喜びを抑えきれませんでした。彼女たちの顔は花開き、主に花を降らせました。天空一面は天界の飛行体で埋め尽くされ、この出来事を見ようと待ち望んでいた天人たちは、その中に座っていました。
天人たちはケトルドラムと太鼓を奏でて、ガンダルヴァたちは恍惚として踊りました。神々の妻たちは盛んに歌いました。ブラフマー、ルッドラ、インドラ、祖霊、シッダ、マハルシ、ヴィディヤーダラ、ナーガ、人間、プラジャーパティ、ガンダルヴァ、アプサラー、チャラナー、ヤクシャー、キンプルシャ、ベーターラー、キンナラー、そしてヴィシュヌの主要な従者であるスナンダやクムダなど、すべての神々がそこに集結しましたが、彼らもまた、ヴィシュヌの輝きに耐えることは困難でした。主の恐ろしい姿と抑えきれない怒りを目の当たりにした彼らは、遠く離れて立ち、両手を頭上に掲げ、祈りを込めて主を称えました。
主ブラフマーは祈りました。
「おお、時間、空間、物質の限界を超越した主よ!無限のエネルギーを持つ主よ!その力は驚嘆を呼び、その行為は純粋で神聖な主よ!おお、純質、劇質、無知(サットヴァ、ラジャス、タマス)という特質から成る幻想的なエネルギーによって、あなたは創造、維持、破壊の行為を遂行されます。不滅の主よ、私はあなたに敬意を表します。あなたは他でもないシュリハリです!」
主ルッドラは祈りました。
「おお、信奉者を我が子のように扱う主よ!おお、シュリハリよ、もしあなたが怒るなら、すべての創造物は滅ぼされるでしょう。この取るに足らない悪魔は、今やあなたによって倒されました。この悪魔の息子であるプラフラーダは、あなたの熱心な信奉者です。彼はあなたに完全に全託しました。おお、主よ、あなたは常にあなたの信奉者に父のような愛を注いでくださいます。どうかこの信奉者プラフラーダをお守りください。」
主インドラは祈りました。
「おお、至高の主よ、私たちの守護者であるあなたは、ヤグナの供物を受け取ることができるようにしてくださいました。あなたは永遠に私たちのハートに住まわれるお方です。しかし、この悪魔のことを執拗に考えていたため、私たちのハートの蓮は閉じてしまいました。あなたはそれを再び開花させてくださいました。おお、主ナラシムハよ、ナータよ、あなたの蓮華の足に仕える者たちは、解放さえも取るに足らないものとして、それさえも望んでいません。そうであれば、彼らが他の物質的な利益を無価値なものと見なしていると、特に言及する必要があるでしょうか?」
マハルシたちは祈りました。
「おお、根源的存在よ!おお、守護者よ!おお、悪魔を滅ぼす者よ!あなたは、蓮華の御足に全託する者たちを守護してくださいます。光り輝く主よ、あなた、純粋意識こそが、このすべての創造の背後にある原因です。あなたは私たちに、苦行(タパス)と呼ばれる至高の道を与えてくださいました。瞑想の一形態であるこの苦行もまた、あなたの姿です。この苦行のエネルギーを用いて、あなたと共に眠っていたこの宇宙を外部に投影されました。この無価値な悪魔の行為によって、私たちの苦行は行き詰まっていました。純粋に私たちを守るために、あなたはこの姿で化身して、私たちが苦行を続けることを祝福してくださいました。」
祖霊(ピトリ・デーヴァタ)たちは祈りました。
「主よ、この悪魔は、私たちの息子や孫たちが命日に捧げるシュラッダ(供物)をむさぼり食います。さらに、彼らが供物として捧げるゴマの入った水も飲みます。慈悲深き主よ、あなたは鋭い爪でこの悪魔の腹を引き裂き、盗まれた供物を取り戻してくださいました。このような主に敬意を表します。」
シッダたちは祈りました。
「主よ、私たちは苦行の力によってシッディ(超常的な力)を得ました。この邪悪なヒランニャカシプは、厳しい苦行によって得たシッディを使い、私たちからそのような力をすべて奪い取りました。愛する主ナラシムハよ、あなたは爪で彼の腹をいとも簡単に引き裂きました。私たちはあなたに敬意を表します。」
ナーラシムハーヤ・ナマハ
第411話へ続く