言葉と教え

シュリーマド・バーガヴァタム 第324話

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マドゥスーダナーヤ・ナマハ

「意識的であろうと無意識であろうと、ハリの名を唱えることは、計り知れない恩恵をもたらす」この決定的な言葉とともに、ヴィシュヌの従者たちはアジャーミラをヤマの従者たちの束縛からだけでなく、死の魔の手からも解放したのです!ヤマの従者たちは主ヤマに近づいて、この出来事の一部始終を語りました。

ヴィシュヌの従者たちが傍らにいるのを見て、アジャーミラは喜びと勇気に満たされました。恐怖から完全に解放された彼は、彼らに敬意を表して頭を下げました。ヴィシュヌの従者たちは彼が何かを言おうとしていることに気づいて、彼が見守る中、たちまち姿を消しました。

ヤマの従者たちは、ヴェーダに記されたプラヴリッティ・ダルマ(物質的拡大の道)を説き明かしました。プラヴリッティ・ダルマは根本原質の三つの属性から成り、世俗的な束縛の中で支えられています。ヴィシュヌの従者たちは、バーガヴァタ・ダルマ(信奉者と神との関係、そしてそこにおける義務)を素晴らしく説き明かしました。アジャーミラは、この会話のすべてを熱心に聞きました。

シュリハリの栄光に耳を傾けたおかげで、彼の中で主への信愛(バクティ)は深まりました。悟りが彼の中に芽生えました。彼はかつての過ちを悔い改めました。自分の罪を思い返し、激しく嘆きました。「ああ、心の制御が不足していたために、私は恐ろしい罪に陥ってしまったのです。これらの苦難は私が招いたのです。」と彼は嘆きました。

スワミジの解説:心を制御できない人もいます。心の制御と舌の制御が欠落すると、全身が制御不能になります。四肢すべてが不具になります。そのような者は地獄の罰から逃れることはできません。今、アジャーミラは過去の行いを悔い改めていました。

私の行いはなんと卑劣なことか!下劣な娼婦に夢中になり、彼女を通して息子をもうけ、ヴェーダの教えを放棄した。私は最悪の境地に堕ちた。この罪深い境地に陥ったことで、すべての高潔で徳の高い人々から非難された。高貴な系譜の汚名となった私を、この世界が非難しますように!貞潔で清純で純粋な、合法的に結婚した妻を捨て、私は邪悪な酔いどれの女の支配下に落ちたのだ。

両親が老齢で苦しみ、友人も親戚も傍にいられず孤独に苦しんでいた時、娼婦に夢中になった私は、恩知らずにも両親をないがしろにし、苦しませた。この忌まわしい罪人である私は、ヴェーダの教えを破った好色な者たちが陥る最悪の地獄に堕ちるに違いない。これは紛れもない真実だ!

私が聞いたこの素晴らしい会話は、本当だったのだろうか?ただの夢ではなかったといいのだが。本当に見たのだろうか、それとも私の想像だったのだろうか?ヤマの従者たちが輪縄を持ってここにいて、私を地獄へ引きずり込んだ。一体どこへ消えたのだ?私を輪縄から救い出してくれたあの4人の美しい天人たちはどこへ消えたのだろう?

結果がどうであれ、私は忌まわしい罪人だが、天人たちのダルシャンを受ける幸運に恵まれた。神々は、ただ現れるだけで私たちの心を幸福で満たしてくれる。もしかしたら、私には何らかの功徳(プンニャ)が残っていたのかもしれない。そうでなければ、娼婦と交わった私のような罪人が、死の瞬間に主の清らかな御名を唱えることなどできるだろうか?

スワミジの解説:死の瞬間に主の御名を唱えることは極めて難しいことです。私は個人的にそのような人を何人も見てきました。たとえ無理やり「ナーラーヤナ」と唱えるようにさせようとしても、その瞬間、主の御名は彼らの口から出てきません。最後の瞬間でさえ、彼らはドーサや他の食べ物の香りを楽しみたいのです。

「以前のプンニャ(功徳)がなければ、死の時に主を想うことは不可能だ。私は恥知らずな詐欺師だ。ブラフミン一族に恥をかかせた、最も忌まわしい罪人である私が、どうして死の時に、あの敬虔なる主の清らかな御名を唱えることなどできるだろうか?私は、その清らかで至高の吉祥なる御名を唱えることさえできない。

これからは呼吸を整え、心と感覚を完全に制御し、厳しい修行によって最悪の地獄への堕落から身を守ろう。

真我の英知の欠如は、人間の中に欲望が芽生える根源である。果報的行為はこれらの欲望に密接に従い、今度は人を束縛に陥れる。今こそ私はこれらの束縛を断ち切る。すべての生命体の幸福を願い、私は完全に平安を得る。これからは平静と完全な慈悲の心を育む。これからは、完全な感覚制御を得る。」

ああ!私はなんと罪深い者だったのだろうああ!私はヴィシュヌの幻影が仕掛けた罠に陥ってしまった。その幻影は女性の姿で私に近づき、猿のように私をその音に合わせて踊らせた。私はこの幻影から解放されなければならない。

私の心は、このはかない世俗的な安楽に囚われている。この肉体に対する「私」や「私のもの」という感情を捨てなければならない。主の御名を唱えるなどの術で心を浄化して、完全に主に心を集中させるのだ。

マハルシ・シュカは言いました。
「ああ、皇帝パリクシットよ!このように、アジャーミラは聖なる人々とほんの少しの時間を過ごすだけで、この世界への完全な無執着を育みました。彼はすぐに立ち上がり、ハリドワールへと旅立ちました。」

これは真実の物語です。アジャーミラは死の魔の手から逃れ、この世界を放棄したのです。 彼は寺院に身を寄せ、ヨーガに完全に身を定めました。感覚を欲望の対象から引き離し、それらを心の中に融合させました。その後、彼は徐々に心を肉体の機能から解放して、真我の中に定着しました。

彼は心の中で、知識として光を放つ至高主を見ました。彼は心をこの主に融合させました。その時、アジャーミラは、以前ヤマの従者たちの魔の手から彼を救ってくれた4人の天人たちを目の前に見ました。彼らを認知して、敬意を込めてお辞儀をしました。その後、彼はハリドワールのガンジス川のほとりで肉体を放棄しました。こうして彼はヨーガに完全に定着したのです。

彼は瞬時に天界を授かり、ヴィシュヌの従者たちと共に黄金の天の飛行体に乗り込み、ヴィシュヌの住処であるヴァイクンタへと辿り着きました。私たちはアジャーミラの吉祥の物語を聞きました。

マドゥスーダナーヤ・ナマハ

第325話へ続く

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