Live in Antwerp

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Live in Antwerp

(Belgium/1993 August)
Sri Ganapati Sachchidananda Swamiji
with Dr.L.Subramaniam (Karnatik Violin)

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  • 1. Dattatreya Trimurti Rupa
  • 2. Phalabhu Tilaka Lochana
  • 3. Devim Vanim
  • 4. Samajavaragamana

 このアルバムは、1993年ベルギーのアンテワープでのライブ盤で、その演奏、および共演者、演目の名曲さの点で、数ある名盤の中でも珠玉の一枚と言えるでしょう。さらに、選ばれたラーガ旋法が西洋人にも日本人にもきわめて親しみ易い点でも、「心と体のHealing」のみならず、即興音楽としての楽しみ、インド古典音楽の学びの上でも理想的な導入になるに違いないと思います。

アルバムと作品

 このアルバムの四曲のうち三曲は、スリスワミジ作Bhajanの主題を用いた南インド古典音楽に則った即興演奏であり、最後の一曲は、近代南インドの三大楽聖のひとりの名曲を主題にして即興を繰り広げています。もしかしたら、他者の作品をアルバムに収録するのは比較的珍しいのかも知れません。

 一曲目の「Dattatreya Trimurti Rupa」は、2006年に、現在最高峰のMridangam(両面太鼓)奏者:Sri Karaikudi R. Mani を伴奏に迎えての同名のアルバムで披露されました。
 
 二曲目「Phalabhu Tilaka Lochana」三曲目「Devim Vanim」もファンの多いBhajanです。四曲目の「Samajavaragamana」は、南インドの楽聖Tyagaraja(ティヤガラージャ)の名作のひとつです。
 伴奏陣は、現役最高峰のDr.L.Subramaniam (Karnatik Violin)を加えた、豪華なメンバー。そして、なによりライブ盤ということで、その臨場感は言う迄もないことでしょう。

楽曲と音楽

 一曲目の「Dattatreya Trimurti Rupa」は、スリスワミジに縁が深い、ヒンドゥー三大神「Shiva神、Vishnu神、Brahma神」が合体した、言わば「三位一体」の姿「Dattatreya神」に捧げるBhajan(讃歌/献身歌)。
 ラーガ旋法は、南インド古典音楽の「Raga:Bhairavi」で、Talam(ターラム/拍節法/リズムサイクル)は、四拍子系(8拍子)のAdi-Talam。

 南インド古典音楽の「Raga:Bhairavi」は、第20番目のMela(メーラ/※):Nata-BhairaviのJanya-Raga(ジャンヤ・ラーガ/子ラーガ)で、北インドで非常に有名な同名のラーガとは、「ドレミ」で言う「レ」が異なります。
 
 北では「レ♭」ですが、南では「レ♮」です。従って、南のBhiraviは、北のRaga:Asawariに近いといえます。

 前半10分前後、前奏曲Alapana(アーラーパナ)の即興が、スリスワミジのKey-BoadとDr.L.SubramaniamのViolinの掛け合いで繰り広げられ、太鼓:Mridangamが加わったところからが、Bhajanの主題を用いた即興演奏「Swara-Kalpana(スワラ・カルパナ)」です。

 スリスワミジ作詞のBhajanの幾つかは、南インドの最高峰の音楽家にも取り上げられていますが、この「Dattatreya Trimurti Rupa」は、なんと古典声楽の最長老、Dr、Narayana Swamiが、Ragaを「Raga:Ranjani」、Talaを「Mishra-Chapu(7拍子)」に替えて歌っています。

 Dr.Narayana Swamiは、本アルバムのViolin奏者の叔父、Dr.Ramnad Krishnanと並んで1960年代に欧米でアルバム(当時はLP盤)が紹介され、ビートルズが紹介した北インド弦楽器シタールでインド音楽を知った(それしか知らなかった?)西洋人の度肝を抜いた南インド音楽史に名を刻む名手。
 そのような音楽家が、スリスワミジの作品を取り上げるということでも、現地古典音楽界に於けるスリ・スワミジの評価と地位が良く分かると言うものでしょう。

 二曲目の「Phalabhu Tilaka Lochana」のラーガ旋法は、少しいわくがあります。

 前述のように南インド古典音楽と北インド古典音楽では、源流は同じなのですが、数千年の歴史の中で、多分に異なる音楽大系と具体的なラーガ旋法、ターラ拍節法をそれぞれで持つようになりました。

 ラーガに関しては、幾つかが互いに移入し合っているのですが、本CD二曲目のラーガ「Raga:Shivaranjani」は、少しややっこしいのです。
 
 「南インド固有のRaga:Shivaranjani」は、第64Mela:Vachaspatiのジャンヤ(子)ラーガで、「ドレミ」で言うと、「ミが♮でファが#、シが♭」の七音音階のラーガです。それに対して、北インドの「Raga:Shivaranjani」は、「ミが♭で、ファとシを用いない」五音音階のラーガで、両者は全く異なります。

 本CDでスリスワミジが起用したのは、後者の北インドのラーガが南インド古典音楽に移入され定着したもので、音は北インドと同じで、第22MelaのKharaharapriyaのジャンヤ・ラーガ。
 
 三曲目の「Devim Vanim」のラーガ「Raga:Hamsadhwani」は、「ドレミ」でいうと「ドレミソシド」で、沖縄民謡音階に似ています。

 このラーガは、この形のまま北インドでも演奏され好まれており、南インド古典音楽の理論体系では、第29Mela:Dhira-Shankara-Bharanamのジャンヤ・ラーガです。
 
 四曲目の「Samajavaragamana」は、前述した南インド古典音楽の歴史に名高い三大楽聖のひとりTyagaraja(ティヤガラージャ)の作品の主題を用いた「Raga:Hindolam/Tala:Adi-Talam」の即興演奏。

 原曲は、演奏者によって「Bhajan」とも「Kirtanam」ともされますが、南インド古典音楽の音楽家に演じられれば、「Vishnu讃歌」でもある「Kriti」とも形式的には大変良く似かよってきます。

 そもそも「Mantra(真言)」に旋律性を高め、掛け合い的に演じられるようになって「Kirtan」が発展し、さらに、中世に「献身歌」として新たに「Bhajan」が生じたのです。
  それが、古典音楽の理論に沿って、主題「Pallabi(パッラビ)、第二主題Anu-Pallabi(アヌ・パッラビ)を含む」「Charanam(チャラナム/副主題)」などを整理すると、いずれも似通って来るのは当然であるかも知れません。

 従って、その歌詞の内容で、「主にKrishna讃歌=Bhajan」「Vishnu讃歌=Kriti」「多神讃歌=Kirtanam」ということであろうと考えられます。

若林忠宏(アーユルヴェーダ音楽療法士)

 しかし南インドでは、「Bhajan」は、Krishna讃歌とも限らないので、演奏者によってまちまちになるのでしょう。Tyagarajaの作詞の当曲は、Ganesh、Krishna、Saraswatiが登場します。もちろん、インドの古来からの風習で、神々の名は、「称号的、あだ名的なタイトル」に置き換えられ、直接的な名前を歌詞に聴くことはありません。 
 
 この曲は、「Raga:Hindolam/Tala:Adi-Talam」で演奏されます。
Raga:Hindolamは、北インドでは「Raga:Malkauns」の名で有名であり、王女から出家し多くのKrishna-Bhajanを遺したMira-Bhai(ミーラー・バーイー)の名曲も、このラーガを用い、しかもTyagarajaの旋律とほぼ同じ旋律。
 それほどにインドでは有名な旋律ということなのでしょう。

若林忠宏(アーユルヴェーダ音楽療法士)

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