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シュリーマド・バーガヴァタム 第228話

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プリトゥ王は続けました、「ヤグニャの供物を享受するのは、至高の神シュリハリ、三界全ての父です。ヴェーダの擁護者たちは一族の神としてシュリハリを崇拝しています。そのため彼らは忍耐力、苦行、叡智といった資質に生まれつき恵まれており、輝いているのです。国の栄光は、こうしたはかりしれない財宝からもたらされます。ヴェーダに通じたブラフミンの生来の輝きが戦士階級(クシャトリヤ)の権力に振り回されることがありませんように!

シュリハリは完全性の顕現であり、時間を超越しています。そして、熱心に神を崇拝する真我を実現した智者の一人ひとりを大切にしています。シュリハリは、インドラ神や神々の神なのです。至高の神シュリハリは、ヴェーダの学者たちの足を崇拝することによって、女神ラクシュミーという尽きることない富を獲得しました。さらにシュリハリは、この世界を清める名声を獲得しました。

Yat-sevayāśeṣa-guhāśayaḥ sva-rāḍ Vipra-priyas tuṣyati kāmam īśvaraḥ
Tad eva tad-dharma-parair vinītaiḥ Sarvātmanā brahma-kulaṁ niṣevyatām

シュリハリは、あらゆる生命の知性という聖所の中に住んでいます。真我を実現した人たちは、神を心から大切にします。そして、神もまた、彼らを心から大切にします。そうした真我を実現した人たち(ブラフマ・ヴェッタ)が奉仕を受けると、この世界を創造した、自ら輝ける至高の神は、大変に喜びます。

ですから、神への奉仕に非常に熱心な信奉者は、真我を実現した敬虔な人たちを必ず崇拝しなければなりません。全ては彼らの中にあるという信念や、完全な献身の念を持って、信奉者は、真我を実現した人たちに奉仕することが大切です。

真我を実現した聖者と交友し、献身的に聖者に奉仕する人の心は、瞬く間に清くなっていきます。そして、究極の状態である解放を獲得して、輪廻転生のサイクルは終結を迎えます。

ブラフミンは神々に通じる表玄関のようなもので、そこから奉納が犠牲の儀式のホーマの火の中に捧げられます。学識あるブラフミンへの奉仕は、総じてあらゆる神々への奉仕に相当します。これ以上に簡単に神々を崇拝できる方法はありません。

様々な存在原理の関係性に精通した人(タットヴァ・ヴェッタ)は、インドラ神といった尊き神々の聖なる名を唱えます。

捧げものが神々のもとに届くようにするために、彼らは献身的にホーマの儀式を執り行って、真我を実現した人(ブラフマ・ヴェッタ)の口として知られる炎に捧げものを捧げます。つまり、彼らは真我を実現した人たちに食べ物を捧げているのです。神シュリハリは、このように捧げられる捧げものを非常に喜んで受け取ります。神が真我を実現した人の口から食べ物を消費して得る喜びは、ホーマ炉に奉納を捧げて神が受け取る喜びをはるかに超えています。

ウパニシャッドは、至高の聖者(パラマハンサ)の超越的知識が得られるように道を切り拓いてくれますが、そこでは、シュリハリという至高の本質が語られています。ヴェーダには、いかなる過ちの余地もあり得ません。なぜなら、ウパニシャッド哲学は、至高の神から直接語られたものだからです。それには誕生はありません。私たちの姿が鏡の中に映るように、至高の本質は、ヴェーダの中に直接見出すことができます。

ヴェーダの学者は、完全なる献身の念を持って苦行を行います。彼らは不必要な議論をすることなく、自己を完全に制御してヴェーダを唱えます。このようにして、心を完全に集中させてヴェーダを理解して、自らの知性の中にしっかりと留めおきます。そして、禁忌の行動から距離を置いて、ヴェーダが言わんとしていることを理解するのです。

おお尊敬すべきご参集の方々よ!私は生きている限り、こうしたヴェーダ学者の足の塵をいただいて、我が王冠を飾ることでしょう。これを毎日行ずることによって、私の罪は完全に消ええていきます。善き資質の全てを持って、このような人に奉仕するのです。

宝という宝は、善き性格と高潔な資質を持ち、他人から受けた恩を忘れることなく、年長者に奉仕する人の周囲を漂います。牛、信奉者、ブラフミンと仲睦まじいジャナルダナが私に喜んでくださいますように!」と、プリトゥ王は言いました。

この言葉を聞いて、祖霊、神々、司祭、高潔な聖者の心から喜びがあふれてきました。そして、彼らは心を込めてプリトゥ王に拍手喝采しました。

Putreṇa jayate lokān iti satyavatī śrutiḥ
Brahma-daṇḍa-hataḥ pāpo yad veno ’tyatarat tamaḥ

ヴェーダによれば、すばらしい息子をもうけた父親は、死後、天上界の惑星に達するとありますが、これは絶対的な真理です。なぜなら、ヴィーナは罪深く、また、至高の聖者たちに呪いをかけられましたが、プリトゥ王の有徳な行為のおかげで、地獄を脱したのです。

ヒラニヤカシプは、常々にシュリハリを悪く言っていたため、地獄に落ちるのではないかと怯えていました。しかし、息子のプラフラーダによるシュリハリへの揺るぎない愛と献身奉仕のため、彼は地獄を免れました。

儀式に集まった人たちはプリトゥ王に言いました。

「おお力強い王よ!あなたは、母なる大地の父です。どうか、長寿が祝福されますように!なぜなら、あなたは、ただひたすらに至高の神シュリハリに献身してきたのですから。おお王よ、あなたの名声はとても純粋なものです。シュリハリの熱心な信奉者であるあなたが、至高の神の栄光を讃えることは、この上ない幸いです。あなたを国王にしたことによって、私たちは、至高の神を私たちの王、そして、私たちの統括者にするいう幸運に恵まれたのです。

あなたが、王として、臣民に発令するのは全く驚くことではありません。あなたのような哀れみ深い王が、人々に愛情深くあるのはごく自然なことです。そして、あなたに庇護を求める人たちに対するあなたの愛情は、すばらしいものです。

おお王よ、私たちは、自らの運命に翻弄されて、知性を失い、輪廻転生の海を泳いでいます。今日、あなたは、私たちを無知の大海から救い出して、無事に岸辺に連れて行ってくれました。」

ハライェー・ナマハ

続く

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